星野貴代展 砂に描いた線

3/18[土]―30[木]

niigata eya exhibition 647

 夢でみる風景は懐かしい。かつて住んでいた街だったり、子どもの頃過ごした界隈の残像だからだろう。それは決して美しい光景であったり、素晴らしい絶景ではない。むしろ私たちの記憶は、さりげなくてありふれた愛しい風景をトレーシングペーパーを重ねていくように構成されているらしい。
 星野貴代さんの作品はコミカルな線が、時として宇宙的とも思える、きらきらした異世界を描く。それでいて、ここに居た事があるような、この世界を知ってでもいるようなデ・ジャ・ヴュを覚えるのだ。星野さんの輝きは遠い星々ではなく、記憶の奥底から、いく重にも重なったトレーシングペーパーの向こうから届く光に違いない。(企画者:田代早苗)

星野貴代(ほしの たかよ)
1974年新潟市生まれ。99年佐藤公平氏に師事。 2001年新潟市西蒲区(旧中之口村)に開窯。02年以降毎年ギャラリー栞(新発田市)での個展で発表するほか、05年アートスペースガレリエ(上越市)、09・11・12・13・14年ギャルリー炎舎、15年ギャラリーゆうむ、15年以降毎年シロネプレッソ、16・17・19年Kaede Gallery+full moon、20年新潟絵屋、21年医学町画廊(以上新潟市)にて個展開催。

PHOTO(上):「砂に描いた線」 2023年 オイルパステル・ペン/紙 21.0×28.0cm

〈絵を中心に陶芸作品をすこし加えてご紹介します〉

Lines Drawn on Sand

 The landscapes I see in my dreams are nostalgic. Perhaps it is because they are visual memories of the town where I used to live or the neighborhood where I spent my childhood. It is never a beautiful scene or a wonderful view. Rather, our memories seem to be composed of casual, common, and lovely landscapes, like layers of tracing paper.
 The playful lines of Takayo Hoshino’s works depict a sparkling otherworldly world that sometimes seems almost cosmic. Yet, we feel as if we have been here before, as if we know this world. Hoshino’s brilliance is not from distant stars, but light from the depths of our memories, from behind layers and layers of tracing paper. (Exhibition Planner: Sanae Tashiro)

〈We will introduce mainly paintings and some ceramic works.〉

Takayo Hoshino
Born in Niigata City in 1974, Hoshino studied under Kohei Sato in 1999. In 2001, she opened her own kiln in Nishi-Kan-ku, Niigata City (former Nakanokuchi Village). Since 2002, she has held solo exhibitions at Gallery Shiori (Shibata City) every year, Art Space Gallerier (Joetsu City) in 2005, Gallery Ensha in 2009, 2011, 2012, 2013, and 2014, Gallery Yumu in 2015, Shirone Presso every year since 2015, Kaede Gallery+full moon in 2016, 2017and 2019, Niigata Eya in 2020, and Igaku-cho Gallery in 2021 (all in Niigata City).

星野貴代展
PHOTO:「月明かりに視えるもの星灯りで届くもの」(部分)

星野貴代展  砂に描いた線
PHOTO:「上絵変形ハート鉢」 2012年 陶 26×27×6.2cm


▶ 星野貴代展「あしたの気配」
 

ジャン-フランソワ・ゲリーの目

3/4[土]―16[木]

砂丘館同時期開催 2/16[木]―3/26[日]*先行開催中!

niigata eya exhibition 646

 ジャン-フランソワ・ゲリーが遺した写真を見ていて新発見があった。稲荷神社のキツネたちの素晴らしい肖像写真の数々である。 すらりとして、ふっくらした体躯、生き生きとして鋭い目、やさしそうで、しかし恐ろしい力を持っていそうな動物、キツネ。日本人にきわめて身近な存在であり、そして畏怖の対象でもあったこのキツネたちが姿を変じ、彼の前に再び、そして最後に姿をあらわしたのが冬の浜の流木たちだったのではないか。
 その流木シリーズの映像に「死、エロス、幻想と沈黙」という言葉を付した直後に彼は逝ったけれど、この言葉は、稲荷の写真にも、そしてゲリーのすべての写真に通底するものを指している。写真は彼にとって自分の底にある魂の孤独にめぐり会う場であり、道だったのだ。作家自身によるオリジナルプリントと愛蔵の日本陶器や浮世絵などをあわせて展示する。(企画者:大倉宏)

ジャン-フランソワ・ゲリー 
(Jean-François Guerry)
1943年スイスに生まれ、パリで育つ。スイス大使館の文化担当官として東京、ニューヨークで勤務した後、90年辞職しフリーの写真家となる。92年から新潟市に暮らす。90年ギャルリーワタリ(東京)、98年羊画廊(新潟)、99年Arterage Modem Art Gallery(ウラジオストク・ロシア)、2000年新潟絵屋、04年たけうち画廊(新潟)で個展。『週刊新潮』、新潟日報などに写真と文を発表。著書に『旅の虫』(00年 新潟日報事業社)『パリでまた逢おう CI VEDIAMO』(04年 同)がある。20年12月砂丘館で最後の作品「流木」の映像を展示中に死去。

PHOTO 上: 制作年不明 写真/印画紙 19.9×29.7cm 

PHOTO: 制作年不明 写真/印画紙 31.1×21.4 cm




〈同時期開催〉

「ジャン-フランソワ・ゲリー遺作写真展 流木を中心に」
2/16[木]―3/26[日]
会場:砂丘館

新潟市中央区西大畑町 5218-1
9:00-19:00(3月から21:00閉館)
月曜および祝日の翌日休館

ジャン-フランソワ・ゲリー


〈ギャラリートーク〉

「ジャン-フランソワ・ゲリーを語る」
3/11[土]13:30―15:00
会場:砂丘館

阿部周子・大倉宏(聞き手)
参加料500円/定員15人/要申込(2/22~)
砂丘館へ電話またはメールでお名前、電話番号、人数を添えお申込下さい。

TEL: 025-222-2676
Email: sakyukan@bz03.plala.or.jp


▶ 砂丘館2020年12月「ジャン-フランソワ・ゲリー『流木』」
▶ 新潟絵屋2000年7月

ヒュロッキンの縁起物

SHOP 1/14[土]―3/30[木]
期間限定 店舗のみでお取り扱い

招き猫と干支もののマトリョーシカ、おだんごやたまごのようなうさぎ、招き猫の起き上がりこぼしなど、まるくて小さいものたちが集まりました。

hyrrokkin(ヒュロッキン)
神奈川県生まれ。木工家。森林たくみ塾で木工を修得後、WOOD YOU LIKE COMPANYに22年間勤務。2018年、八ヶ岳南麓の廃校に工房を構え、無垢の木の家具から小物やマトリョーシカを製作。山梨県北杜市在住。

ヒュロッキンの縁起物

上:干支だんご「ダルマ」(赤・白)
下左:「卯」
各直径5cm 税込各 4,400円

下右:「干支たまご」
高さ6cm 税込 3,850円

ヒュロッキン
山梨のヒュロッキンの工房

ヒュロッキンの縁起物
〈招き猫リョシカ〉
3個セット 税込 8,800
マトリョーシカは並べてたのしく、小物の収納にもお使いいただけます。