ギャラリーみつけ開館記念イベント

3月19日 sat

Report

ギャラリーみつけ開館記念イベント

 3月12日に、ギャラリーみつけが開館しました。見附市主催の記念企画のひとつで、新潟市こども創造センターの浅井俊一さん、小林美果さんを講師に、新聞紙でオリジナル動物を作る出前講座を行いました。動物は生きるために食べる、だから口がある、移動するから手や足がある、胴体と頭はつながっているから首がある、と手を動かす前にお話がありました。作り出すと、思い通りにならないことが生じたりアイディアが湧いたり個々にドラマがあります。お手伝いで毎回感動しています。この講座は、普段から新潟市こども創造センター・ものづくりひろばで体験することができ、ギャラリーみつけ・ぶらっとルームでは今後も後美術・工芸教室などが行われます。(井上美雪)

ギャラリーみつけ

池田 早季恵 「陶と苔展」

5月22日sun―30日mon

作家在廊予定日:5/22~30

vol. 494

 陶と苔展、タイトルからしてコラボレーションの体が想像できる今回。フットワークの軽い池田さんはここのところ様々な場所様々な人に接し、そこで起こる化学反応を楽しんでいる。歴史的建造物に自らの作品をリンクさせたり、新潟のまちの魅力や歴史を作品として作り上げたり、テーマや表現方法に様々な要素を取り入れている。コラボレーションというと互いの個性が鎬(しのぎ)を削り緊張高まる化学反応を想像する方も少なくはないだろうが、今回のコラボ作品はむしろ「ほっこり」。陶と苔、共に土が共通だから一緒に丸めると予定調和になりそうなところだが、そうはならないところが池田さんの持ち味。卓上に置いて眺めていると、こころがゆるんでくる、そんな作品と巡り会える今回の個展。ほっこりほっこりのコラボレーションをどうぞお楽しみに。(企画 伊藤 純一)

▶みるものとよいところ 会場のようす

陶 池田 早季恵(いけだ さきえ)城南窯
1980年生まれ。2002年新潟大学工学部卒業後、陶芸家の父・池田脩二に師事。04年石膏型による作陶を始める。06年佐渡博物館「佐渡のやきもの展」出品。08年イカラカラ(新潟市)にて器展、新潟絵屋では10年「陶の動物展」・12年「陶の縁起物展」、13年蔵織(新潟市)「陶雛展」開催。
http://www.jyounangama.info

盆栽 角谷絵里子(かどや えりこ)盆栽木木 kiki
1980年生まれ。2011年盆栽木木として活動を始める。12年阿賀野町の山荘にて「森の中のふたり展」(陶はナナカマド・後藤奈々)、15年「MASUMOSS」の盆栽デザイナーとしてプロジェクトに参加。
http://www.bonsai-kiki.com

PHOTO: 「盆栽蛙」高さ15cm(盆栽含む) 「苔蛙」(高さ6cm)

会期中はスタンプラリーを開催

池田早季恵作品がある北前船の時代館日和山五合目旧齋藤家別邸、新潟絵屋の4カ所でスタンプをコンプリートすると抽選で景品が当たります!

*抽選交換は5/22〜30、6/2〜10の期間、新潟絵屋でご対応いたします。
*北前船の時代館、旧齋藤家別邸は有料。共通入館券がおすすめ。5/30休館
*日和山五合目は金〜日曜日のみ開館(5/27.28.29)。

菅野 くに子 展

5月12日Thu―20日fri

vol. 493

 菅野くに子3年ぶりの新潟絵屋。
 昨年の東京での個展での出品作(近作)に新作を加えての内容になる。近作に色彩が強く深いものがあるのが目を引く。
 今回初めて制作の様子も実見させてもらったが、ゲル状の和紙に、色の粉を溶かし、そのゲル状のものを枠どられた中にすくっておいていく。七宝の技法に近い。濡れているときが一番美しく、乾くとがっかりしてしまうと菅野は言うのだが、その濡れ色の深みを、近作は見事に生み出している。新作では「はさ木」というモチーフが登場した。蒲原平野の空や大地の色は、はさ木という点景が加わることで深くなる。この色彩画家の現在が呼び寄せた、モチーフだと思う。
(企画 大倉 宏)

菅野 くに子 (かんの くにこ)
東京都生まれ。武蔵野美術大学油画科卒業後、リトグラフ、エッチングの制作を続ける。1998年より手漉き和紙による制作を始める。2001年ガレリアグラフィカ(東京)、05・07年ギャラリー舫(東京)、09年アートスペースエリコーナ(いわき)、11年新発田市市民ギャラリー(第1回アート・ナウしばた)、mu-an(長岡)、12年ギャラリーゴトウ(銀座)、15年ギャラリーアビアント、02・04・06・08・10・13年新潟絵屋で個展。

▶みるものとよいところ 会場のようす

■作家在廊予定日:5/12(木)〜15(日)、18(水)

PHOTO: 「聖」2015年 ミクストメディア・和紙 72.3×60.5cm

WAKKUN展 「王様の舟出」

5月2日mon―10日tue

作家在廊予定日:5/2・3・6・7(午後のみ)・8~10

vol. 492

 WAKKUNが涌嶋克己だと言うことは意外と知られていない。旗野秀人がホントはHAKKUNだなんて誰も知らない。このふたり1950年生まれだが一卵性ソーセージではない。WAKKUNのほうがチョッと兄ちゃん。かたや絵描き、かたや恥かき、いいえホントは大工さん。でも、本人もよくわかっていない。どうであれ、ふたりは気が合う。10年前のふたりの仕事、絵本『阿賀のお地蔵さん』はモンゴル語や中国語に訳され、今年は韓国語に挑戦と羽ばたく。が、しかし、先回の「還暦少年+1」展から五年経った今回は 「王様の舟出」展とのこと。さすが万年青年はステキだ! 昨年、神戸の展覧会場で貰った絵本『てがみ』には思わず涙。その原画展は絵屋終了後の翌日から、市内北区「てんゆう花」で開催。(企画 旗野 秀人)

WAKKUN(涌嶋克己)
1950年神戸市生まれ。86年TAO(神戸)、87年PICTURE(大阪)にて個展、以降毎年、神戸、大阪、京都、東京等で個展開催。95年阪神大震災で被災した障害者を援助するボランティアTシャツ・ガッツ君の絵を描く。主な著書に絵本『ほっ』(90年星雲社)、『いただきます!』(97年佼成出版社・共著)、『あっ』(2000年解放出版社)『阿賀のお地蔵さん』(06年考古堂書店)、『てがみ』(15年maillet books)、画集『友達がいてよかった』(98年遊タイム出版社)、イラストエッセイ集 『54才の絵日記』(05年友月書房)などがある。

▶みるものとよいところ 会場のようす

■ WAKKUN×旗野秀人トークイベント 5/6(金)19:00~20:00
 会場:新潟絵屋

■ ワークショップ 5/7[土]10:00~11:30
 会場:新潟市こども創造センター

■ 同時期開催 5/11[水]~17[火] 絵本てがみ原画展 WAKKUN
 会場:てんゆう花 (新潟市北区木崎2)

PHOTO: 「王様の舟出」2015年 墨・水彩/紙 15.0×10.2cm

周 豪 展

4月22日fri―30日sat

vol.475

作家在廊予定日:4/23

 周豪の絵は色彩がすばらしい。その魅力を考えていて、昔、学生のころ、色彩学の授業で学んだ「孔色(こうしょく)」を思いだした。空の色とか、穴の向こうに見える色などを指す言葉だ。
 孔色には紙の色とか、石の色というときの紙や、石の「質感」がないかわりに、もの表皮から放たれた透明がある。周豪の絵独特の渋い色は孔色ではない。反対に、荒めのキャンバス地や絵の具の堅牢な質感がある。けれども豊かな質感を持つ色に、その豊かさに拮抗するほどの「透明」が感じられるのだ。シンプルで、表情に節度ある抑制を加えた形に、華やかとも穏やかとも違う、ある品格ある響きを、その見えざる透明がかもしだしている。(企画 大倉 宏)

周 豪(Thou HAO/つぉうはう)
1960年中国上海市生まれ。’90年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース修了。ポーランド、スロベニア、ノルウェーなどでの国際版画展、2001年CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ/神保町)出品。’04年早稲田大学芸術学校非常勤講師、’05 ワークショップ特別講師(宇都宮美術館)、2008・
’10年Atelier Remy Bucciali(フランス)にて銅版画制作。町田市立国際版画美術館、武蔵野美術大学美術資料図書館、神州版画美術館(中国)、多摩美術大学美術館、フランスポスター美術館、アメリカボストン美術館、アメリカスミス大学美術館、ポーランド国立美術館などに作品収蔵。横浜市在住。http://zh1920.com

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「B.160123-56」2016年 油彩・キャンバス 11.5×19.7cm

渡邊 博 展

4月12日tue―20日wed

vol.490

作家在廊予定日:4/12

 渡邊博の絵に闇を感じてきたのは、絵そのものと、洲之内徹の彼の絵に触れたエッセイのせいだったかも知れない。そこには当時、30年以上前に渡邊が親しんでいた今昔物語を、洲之内が読んだ印象が書かれていて、その印象が「夜の暗さ」だった。
 最近出た現代語訳で私もその今昔物語を読んでみた。僧侶が天皇と碁を打ち勝つ。褒美に金の枕をもらう。天皇は帰途、僧をおそわせてそれを奪い返す。それがいつものことなので僧侶は偽の枕を奪わせて本物をせしめ、それを砕いて寺を建てる…という話などを読んでいると、まるでチェーホフの短編みたいな人間味を感じて楽しい。うごめく人間たちが明なら、それを浮かべる物語の時空は暗であり、明暗あい乱れて流れていく、雲のような不定形空間は、まさに今の渡邊の絵のようだ。(企画 大倉 宏)

渡邊 博(わたなべ ひろし)
1938年新潟市生まれ。熊谷喜代治にデッサンを学び、後笹岡了一に師事。日展、光風会に出品し、66年光風会会員となるが、68年退会。以後は紀伊国屋画廊、美術ジャーナル画廊、現代画廊、ギャラリーXepia、ギャラリー汲美、(株)東京現像所、K’sギャラリー、セッションハウス(いずれも東京)、ギャラリーDEN(ドイツ・ベルリン)などで個展により発表。新潟での個展は91年新潟伊勢丹、2002・05・08・12年新潟絵屋。そのほか新潟絵屋で2013年久松温子との二人展開催。千葉県在住。

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「乾坤の扉」2015年 水彩・紙 91.0×91.0cm