厚地富美子展

9月22日fri―30日sat

vol.537

 厚地さんの個展は絵屋で3回目。最初は木版画、2回目はガラス絵、そして今回はその両方の新作を展示することにした。彫る力や工程の長さが壁となりガラス絵に移行し、絵の具で描くことに熱中していた近年だったが、最近、木版画を再開された。
「なんだかおかしいでしょう」
 厚地さんは笑う。新作の木版画は、ブランクが一層の壁となっているそうだが、相変わらず魅力的だ。独特なおかしさはなんだろう。絵は、作者を通過して、思いがけない色や形となってあらわれてくる。そのズレの面白さ、どうにも愛らしい。肩の力が抜けるような、ほぐしの効能がある。
 めずらしく、絵屋のショップに暮らす人形たちが、厚地さん宅で夏の日を過ごした。ひょんなことから絵のモデルを果たすことに。さて、どんな絵ができてくるだろう。それもおたのしみに!(企画 井上美雪)

厚地富美子_1709

厚地富美子 (あつじ ふみこ)
1936年島根県松江市生まれ。47年より新潟市に住む。75年新潟市中央公民館の年賀状講座に参加し、木版画を始め、鈴木力氏の指導を受ける。新潟市市展市長賞、新潟県展県展賞(2003年)、奨励賞(86・96・00年)を受賞。2008年たけうち画廊(新潟市)、10年ギャラリー十三代目長兵衛(柏崎市)、11・15年新潟絵屋で個展開催。グループ展「遊」出品。

PHOTO(上): 
PHOTO(下): 「貝」2017年 木版画/和紙 21.0×28.0cm

華雪展 「顔」

9月12日tue―20日wed

vol.536 作家在廊日:9/12.13.14.16.17終日 9/15午後 9/18午前

 月刊誌「ジャフメイト」の華雪の連載「文字と眼差し」が面白い。
漢字の原点、甲骨文字。絵に近い最初の姿を思い浮かべた「誰か」に想像をめぐらせ、自分の体験や記憶と重ね合わせる。語る道具になった文字自体が、話し出すような不思議な心地。
近作「顔」は、ピカソの晩年の自画像を見たのが、ひとつのきっかけになったという。その顔は「極彩色のパステルで描かれ」「色は混ざり合って濁ることも厭わず、紙の上でぶつかり合」っていた。顔は時に感情や思いを表すが、華雪によれば「顔」の字は本来「化粧を施した顔をあらわし」「現代中国語では色合いを指す」。化粧が顔を整えつつ、何かを隠すように、顔は隠す場所でもあった。
人は表し、隠し、人生を送る。ま反対の力がぶつかり、尖った波頭にぬめり出たような「顔」の書が、すごい。(企画 大倉 宏)

華雪展 「顔」

華 雪(かせつ)
1975年京都府生まれ。書家。92年より個展を中心にした活動を続ける。〈文字を使った表現の可能性を探る〉ことを主題に、国内外でワークショップを開催。舞踏家や華道家など、他分野の作家との共同制作も多数。刊行物に『石の遊び』(2003年平凡社)、『書の棲処』(06年赤々舎)、『ATO 跡』(09年between the books)など。最近ではJAFの機関誌「JAF Mate」に書とエッセイを連載していた。『コレクション 戦争×文学』(集英社)、『木の戦い』(エクリ)をはじめ書籍の題字なども手がけている。「水と土の芸術祭2012」(新潟市)、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」に参加。新潟では新潟絵屋、砂丘館、二宮家米蔵、エフスタイル、室礼などで展示を行ってきた。 http://www.kasetsu.info

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PHOTO(上): 「顔」2017年 墨/和紙
PHOTO(下): 「顔」2017年 墨/和紙 33.0×23.5cm

松本健宏展 「花火」

9月2日sat―10日sun

vol.535 作家在廊日:会期中毎日予定

 前回の絵屋での個展から3年が経つ。長いようなあっという間のような3年、それぞれの人生の中でも3年という年月は、環境に変化があった者変わらぬ日々を積み重ねる者、千差万別時の経過を持つ事だろう。松本さんもこの3年環境変化があった。安定した創作環境を確保するため福祉関係の職に就き、創作に対して理解者であった義父を見送った。延命治療を選択しなかった義父や施設で向かい合う人々に接し、松本さんの創作の根底にある「人間は何者で、何のために生きているのか」を感じずにはいられない日々であった。そんな環境下で創る今回の個展テーマは「花火」。人間の人生は長いようで短い、しかしながら火花の様な激しい輝きを放ちながら、感謝し祈りながら、人生を送る。そんな事を表現した作品を今回は展示したい、と松本さんは語る。染めだけにとらわれず、蝋絵や造形物といった多彩な手法で表現する今回の作品から、新しい年輪が刻まれた松本さんを感じていただきたい。(企画 伊藤純一)

松本健宏 作品

松本健宏 (まつもと たけひろ)
1967年京都府生まれ。京都精華大学テキスタイル科卒業後インテリアデザイナー経験を経て、6年間丹後伊根の舟屋へ通い染色作品の連作を続ける。京展工芸部門京都市長賞など受賞。新潟絵屋では2007・11・14年個展開催。京都工芸美術作家協会会員。

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ワークショップ「ろうけつ染めで手拭いをつくる」講師:松本健宏
9/2(土)19:00/定員8人
9/3(日)10:00/定員4人
9/6(水)19:00 /定員8人
会場:新潟絵屋/参加費1,500円/所要時間およそ30分〜(個人差があります)
制作後は一度作品をお預かりし、松本さんが京都のアトリエで処理をして、後日新潟絵屋でお渡し致します。
▶ワークショップのようす

PHOTO(上): 「花火#2」2017年 蜜臘クレヨン・水彩顔料/和紙
PHOTO(下): 「花火#1」2017年 蜜臘クレヨン・水彩顔料/和紙 39.0×26.0cm

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等々力弘康ドローイング展

8月16日wed ― 19日sat

11:00〜18:00

等々力弘康の色が眼球に入ると、その色の陰に、裏にある、ひそむ、見えない色が匂いたつ。
蜜に誘われる蝶のように、その色一色の底の色に、吸い寄せられ、一瞬の花芯に目の羽根をたたみ、立ちどまる。(大倉宏)

等々力弘康(とどりき ひろやす)
1943年新潟生まれ。

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2017年の作品を中心に、旧作もさまざまな年代のものを展示しています。
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等々力弘康

等々力弘康

等々力弘康

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トレド+吉田淳治

8月1日tue ― 31日sun

会場:オーダーカーテンと家具の専門店 トレド

 洗練されたデザインのトレドショールームに、吉田淳治の美しく深みのある水彩画をプラスしたら・・・
どんなに素敵なことやら!

吉田淳治(よしだ じゅんじ)
1951年愛媛県宇和島市生まれ。1970~76年東京、以後は宇和島で制作。81年パリに1カ月滞在、イタリアに旅行。宇和島市立伊達博物館、べにばら画廊(宇和島)、松山三越、田都画廊(松山)、マエダ画廊、Gallery芽楽(名古屋)、現代画廊、紀伊國屋画廊、始弘画廊、ギャラリー収納(東京)、ギャラリー小蕪亭(長野)、新潟絵屋、画廊Full Moon(新潟)などで個展。グループ展多数。2011年「絵画のwaltz-吉田淳治展」(町立久万美術館)、12年「絵画風景 吉田淳治展」(砂丘館)が開催される。 http://junji-yoshida.webhop.info/

*2017年6月2日~10日 「吉田淳治 水彩展 WII」(会場:新潟絵屋)出品作品の一部が巡回します。

PHOTO: 「WII-147」2017年 水彩/紙

photo_shop_appearance_01オーダーカーテンと家具の専門店 トレド
新潟市中央区万代3丁目5-36
tel. 025-255-5502
Open 10:30~19:00
Close 水曜日、8.13~16

トレド ホームページ

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おかえり展

8月22日tue ― 30日wed

vol.534

 新潟絵屋の展示室は約6坪。
 けれど、そうした数字では計れない広さがあると、教えてくれたのは、並べられてきた絵や、各種の作品たちだった。
 作品という光に照らされ、その都度、同じ部屋が、違う場所に変容する。その度合いは、いつも劇的だった。
 和紙を貼った板壁、土壁、しっくい、格子戸。多様な壁面と自然光が一部差し込む室内は、ホワイトキューブとも、普通の家ともちがう空間。あいまいという豊かな襞が、照らされる光の質や角度で、新しい陰影をあらわすのだった。
 「おかえり展」は、ここに一度展示され、購入者の元へ巣立っていった作品たちに、古巣に帰ってきてもらい、晩夏の一時を過ごしてもらおうという企画。出品料は、展覧会の開催経費の一部となにとぞご了解いただき、もういちど作品を、新潟絵屋展示室でながめる時間を楽しんでいただければと思う。お申込は直前まで受け付けています。
 そして、展示作業という魅惑的な時間も、ぜひ一緒に体験してください。会期中には絵について、楽しく語り合い、考える催しも企画しています。
(大倉宏)

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出品予定リスト
・栗田宏「而今」無題
・中島佳秀「いばらと、おどろ」
・蓮池もも「光」、「島」
・八木なぎさ「Pilgrims」
・村井勇「ロオリング」
・広田郁世「商店街の空」
・片山健「春の皿」
・相田諒二「message」
・末松正樹「ぺルピニアンの素描」
・坂倉新平「楽しみが来る」

募集ページ

※出品お申し込みは新潟絵屋へ。
出品料3,000円/作品搬入受付期間: 8.2~13/先着30点
※ 展示作業: 8.20[日]
10:00~17:00/出品者は参加できます。見学はどなたも可。
※ 関連イベント 「おかえり展おでかけ篇」(8/23夜)もあります。

新潟絵屋 内観

PHOTO: 新潟絵屋 内観


関連イベント
絵をめぐるあれこれ
案内人:大倉宏/500円 (出品者無料)
8.22[火] 19:00〜20:30 その1. 絵について話しましょう
8.29[火] 19:00〜20:30 その2. 絵の裏側 一枚の絵を額装し飾るまで


おかえり展おでかけ篇
俳句講座 「みんな違って、みんなヘン」
8/23[水] 19:00~20:30
会場: 田代家 (上大川前通4番町)
参加料 2,000円/要申込 (新潟絵屋へ info@niigata-eya.jp)

田代草猫を案内人に俳句の魅力を聞き、時節の句を詠むひととき。絵屋から田代家へと旅立っていった作品でお部屋をしつらえます。
担当:井上美雪

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