Mi-Yeon 写真展 Alone Together

8月2日 tue ― 11日 thu,holiday

vol.501

作家在廊予定日:8/2・3・6・7

 「あっ、」という感嘆を何度も飲み込んで彼女の写真集を見続けた。映された物質との距離感、微妙なフォーカス、観る者を誘いに来る強くてやさしい肌合い。…経過とともに観えてくる…溶けて、自己同一化する他者。ふれあう気質の多様な調べ、空間の基調を聴き取る写真家と、その絶妙な間隔に浮遊する被写体。くりかえしのリズムに、ただよう空気は時間のベクトルを自由に変化させた。同じ地平に、点滅する無数の次元。そこにある闇と光こそ、真実。…ヒト、人、人間…。人間とモノ、風景、事象。出会いと、さまざまな経過と、確かな存在のうつせみ。彼女の眼の前で変容する一本の草も、娘の成長も、そして、われと汝に象徴的なハトの飛翔も、ミーヨンの視座に組み込まれて物語となった 。
 作家の感性のバルブから解き放たれる自由な発想が、柔軟な写真世界で、たわわに実った果実として収穫される。そんな時間の推移が、絵屋の空間に現出する。ここから試されるのは観る者としてのあなたと、作品の肌合い。(企画 石井仁志)

Mi-Yeon(ミーヨン)
韓国ソウル市生まれ。1988年渡仏。パリ写真学校icart photoで写真を学ぶ。個展は、2000年「EXISTENCE」、01年「I was born ソウル・パリ・東京」、02年「2歳の瞬間(とき)」、03年「中年ビューティ」、13年「Alone and Together」(以上まで東京)、15年「Alone Together」(ソウル)、15年「I and Thou」(パリ)等。主な出版に写真集『よもぎ草子―あなたはだれですか』(窓社)、『Alone Together』(kaya books)、エッセイ・写真『いまここにいるよ』(偕成社)、『I was born ソウル・パリ・東京』(松柏社)等がある。2015年より長岡造形大学非常勤講師。東京都在住。

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「Series Alone Together #26」2011年 モノクロ

■ 8/2(火)19:00~ 日本酒の会 ミーヨンさんを囲んで、恩田酒造(長岡市)のお酒を聞き酒します。2,500円/定員12名/要予約

■ 8/6(土)18:00~ ギャラリートーク ミーヨン・石井仁志 聞き手:大倉宏 500円/予約不要
関連情報 7/23~30…ミーヨン写真展「よもぎ草子ーあなたはだれですか」
会場:ギャラリーmu-an(長岡市呉服町2-1-5 0258-33-1900 11:00~17:00)

小木曽瑞枝展/長谷川徹展 @ギャラリーみつけ

ギャラリーみつけで新潟絵屋が企画協力する展覧会

 ギャラリ―みつけと新潟絵屋と砂丘館
家のような雰囲気の新潟絵屋が、まさしく家であった砂丘館(元々は日本銀行新潟支店長の役宅)を指定管理するようになり7月で早11年になりました。広い空間を生かし大規模な展覧会を企画したり、絵屋と砂丘館で、同時期に関連する展覧会を企画することがあります。
今年3月、新たに受託した見附市の市民ギャラリー「ギャラリーみつけ」が開館しました。2階建ての元法務局を改装した空間には3つの展示室があり、それらを自主企画展、見附市委託事業展、貸室展に活用し運営しています。映画館で例えると、絵屋はスクリーンがひとつで、ギャラリーみつけは3つある、という感じでしょうか。3室を使っての大規模な展示もあれば、ひとつの建物内で3つの展覧会に出合えることも。
8月は、ギャラリーみつけで新潟絵屋が企画協力する展覧会があります。この機会にぜひお訪ねください。

第一弾

小木曽瑞枝展
「何処でそれを失くしたのか、こころあたりはありませんか」
7月30日 sat ― 8月14日 sun

ワークショップ 8月7日 sun
① 10:00/小3以上 ②14:30/中学生以上
各2時間・800円・各10名先着順

小木曽瑞枝展小木曽瑞枝展

PHOTO: 「切花(自然怪盗)


第二弾

長谷川徹展
8月20日sat―9月4日sun

画歴の長い長谷川徹の作品を新旧交え展示する。

P1120131長谷川徹展

PHOTO: 2015年10月 新潟絵屋「長谷川徹展」/ 出品予定の旧作

〜〜〜

ギャラリーみつけ

休館日:月曜日 10:00~22:00 *入館受付~21:30 *最終日~17:00
見附市昭和町2-4-1 TEL. 0258-84-7755
https://www.gallery-mitsuke.com

片桐 翠 展

7月22日fri―30日sat

vol. 500

作家在廊予定日: 作家在廊予定日: 7/22~24・30
ギャラリートーク 7/22[金] 19:00~20:00

 片桐翠の絵を網膜に入れる瞬間に感じる違和感と興味は、なんだろう。
 サイケという言葉が口の端に浮かびかけて、とどまる。その感じ。サイケな色は意識の箍がゆるんだ場所から、あふれ出す刺激の洪水だけれど、絵を描く片桐の意識のガードは、存外にゆるくなさそうだ。
 しかし、変、ではある。ピンクのごま塩のマリア像に、なぜリンゴ? 「パリのお母さん」のうしろにオニギリみたいな緑がごろんとしている、そのへんてこさに、当のお母さんがまるで無頓着なのがおもしろい。絵の「変さ」値が高いが、過剰に高すぎず、普通そうな表情をしているあたり。微妙かつきわどい路線を、今回も堅持してきて、うならせられる。(企画 大倉 宏)

片桐 翠(かたぎり みどり)
1978年新潟市生まれ。99年青山学院女子短期大学英文科卒業。渡英。ウェストミンスター大学(ロンドン)で映画とイラストレーションを学ぶ。2006年創形美術学校造形科卒業。第1回パリ賞受賞。副賞でシテ・インターナショナル・デ・ザール(パリ)に8か月滞在。個展は07年知足美術館、08・10・12・14年新潟絵屋、11・13年アートスペース88国立、14年新潟県立植物園など。13年マレーシアArt Expo、14・15年枝香庵のクリスマス(ギャラリー枝香庵)出品。

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「マリア像と林檎」2015年 油彩/キャンバス 35.0×35.0cm


Event 夜間営業 7/8[金]・15[金]・22[金] 21:00まで開廊!

作家ギャラリートーク
7/22[金]19:00~20:00 聞き手・大倉 宏 参加料500円 予約不要

坂爪 勝幸 展

7月12日tue―20日wed

vol. 499

作家在廊予定日: 7/12・15〜18・20
ギャラリートーク 7/15[金] 19:00~20:00

 新潟絵屋での前回の坂爪勝幸展は12年前。
 アメリカ時代のモノタイプを中心に紹介したその個展の2日目に、中越地震が起きた。
 大地震はあれからもあり、世の中もいろいろあったけれど、坂爪にも京都で数ヶ月入院するという事件があって、その折病院を抜け出して古寺の庭を見て歩いたのが陶器による「石庭」シリーズのきっかけだったいう。
 作品撮影に胎内市の工房へ行き、シリーズの新旧作に花器の新作などをレンズごしに覗いて発見があった。例えばこの耳のついた花器は花器でありながら、火山の噴火口や平安期の仏像、はてまた後ろ姿の羅漢のようにも見える。若き日のモノタイプを閃光とすれば、光の残像が闇に重なる多重世界の気配が深まってきた。茶道を育んだ中世仏教の空気を思い出す。(企画 大倉 宏)

坂爪勝幸(さかづめ かつゆき)
1947年村上市生まれ。九州・韓国で陶芸、築窯技術を習得。1979年に国際交流基金より客員教授として米国ニュージャージー州立アートセンターへ派遣。アメリカ各地で作品展開催、陶芸・築窯指導を行う。86年帰国。胎内市(旧中条町)に築窯。越後妻有アートトリエンナーレ2000、水と土の芸術祭2009・2012出品。03年万代島美術館、04~09・12年画廊Full Moon、05年砂丘館、10・15年燕市産業史料館、13年カールベンクス古民家ギャラリーで個展。新潟絵屋は04年ぶり。

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「おりべ」2016年 h29cm


Event 夜間営業 7/8[金]・15[金]・22[金] 21:00まで開廊!

作家ギャラリートーク
7/15[金]19:00~20:00 聞き手・大倉 宏 参加料500円 予約不要

井田 英夫 展

7月2日sat―10日sun

vol. 498

作家在廊予定日: 会期中毎日
ギャラリートーク 7/8[金] 19:00~20:00

 昨夏数ヶ月行って来ると広島呉市に旅立った井田英夫が、年が改まっても戻らず、個展を前にした初夏、ようやく絵を携えて戻ってきた。その絵がよかった。特に夜釣りをする男のいる海辺の絵は、何とも言えない臨場感、空気感がある。新潟の海辺と違い、そこは倉橋島という本土に接触する寸前まで近づいた島の、狭い海峡の海で、アーチ橋はそこに架かる第二音戸大橋とのこと。夜の光に浮かび上がる橋の光と影と色がまた素晴らしい。夜釣りをする人は、毎晩そこに来るそうで、井田もその手前に大きなキャンバスを立てて、絵を描いた。潮の香りと水と自動車の音の入り交じった、どこか時間がとまったような、穏やかな瀬戸内の岸辺の空気が、絵の中で永遠の生命を得ている。
 個展のあとはまた呉に帰るという。渡り鳥のように。(企画 大倉 宏)

井田英夫(いだ ひでお)
1975年旧新津市生まれ。97年新潟デザイン専門学校卒。1999年モンセラート美術大学(アメリカ、マサチューセッツ州)卒業。ミンゴーギャラリー(マサチューセッツ州)で二人展。02・04・06・07・09・10・12・13・14年新潟絵屋、05年ギャラリーEMU-st(新潟)、11年久留米市一番街多目的ギャラリー、12年三方舎書斎ギャラリー(新潟)、15年天仁庵(広島)で個展開催。15年8月下旬から16年5月呉市音戸町に滞在。

▶みるものとよいところ 会場のようす①
▶みるものとよいところ 会場のようす②

PHOTO: 「音戸の夜」2016年 オイルパステル・油彩/キャンバス 72.7×91.0cm


Event 夜間営業 7/8[金]・15[金]・22[金] 21:00まで開廊!

作家ギャラリートーク
7/8[金] 19:00~20:00 聞き手・大倉 宏 参加料500円 予約不要

荻間 久美 展 「イデア―私の心臓」

6月22日wed―30日thu

vol.497

作家在廊予定日: 6/22〜26・30

 荻間さんが制作をする胎内市の坂爪勝幸工房を訪ねた。いつも制作以外のことが忙しいと坂爪さんが言った。土や釉薬を作る、草や木を刈る、などなど。用意されたものを使うのではなく、使うものは時間をかけて自分たちで作る。
新作は素焼き前の状態で、木枠の中で宙づりに浮かんでいた。木枠の天地左右を変えながら360度の視点で制作するためだ。いくつかは木枠時代を経て、ウレタンの上でごろんと転がっている。次の工程を待つ土の塊に期待を持った。火を受けてむくむくと力をつけそうだ。
荻間さんは後から次の言葉を寄せてくれた。
「イデア」という言葉には、もともと持っている本質という意味があります。私はその中心にある種のような、人の中心にある心臓のようなものに強く憧れを持っています。この多様で複雑な形は、私自身かもしれません。
(企画 井上 美雪)

荻間久美 (おぎま くみ)
1978年新発田市生まれ。2003年陶工房セラにて、06年坂爪勝幸工房(胎内市)にて制作。坂爪勝幸氏に師事。09年大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ妻有焼展入選。08年2人展 「ハナとウツワのカタチ」(カーブドッチ・薪小屋)、10年グループ展「この界隈のビジュツ―〈いま・ここ〉のパフォーマンスを上げる―」(ギャルリー炎舎)、12年グループ展「風の通り道」(芹川画廊/銀座)、水と土の芸術祭2012プレイベント「東日本大震災復興支援 松浜地区心意気ARTフェスタ」出品など。14年新潟絵屋にて個展。

▶みるものとよいところ 会場のようす

PHOTO: 「イデア Complex Form」h35cm