八木なぎさ展

2月2日sat―13日wed

vol.567
作家在廊予定日:2/2・3・9・10

 八木なぎさの世界は両義的だ。近作はことに。開くことと、閉じることが同時に起こる。右手と左手が互いを掴み、押す、あるいは引くように。少なからぬ作品が、合わせ鏡の構造をとっているのも、そのあらわれだろう。合わせ鏡は無限の開放が、無限の閉鎖を意味する。そのような緊張がますます高まり、その静止感は、一層深まってきた。
 唐突だが「平和」とは、しかし、そういうものかも知れないと感じる。平らで和やかな水面、水鳥が憩う世界は、無限と言っていい諸力の相克と、拮抗の上に、静止しているのだ。人の心もまた同じ。橋、流れ、くぼみ、湿地…八木の目は、手は、身体は、はそのようなドラマチックな平和の空間を、光景を、鳥瞰し、掘削していく。(企画 大倉宏)

八木なぎさ(やぎ なぎさ)
1961年横浜市生まれ。個展は94年シロタ画廊(銀座)、97・99年三木ギャラリー(銀座)、2000年木の葉画廊(神田)、08・13・16・18年 NICHE GALLERY(銀座)、12・14年新潟絵屋など。97年トリエンナーレ97’(ポーランド)、04年 「日本の版画展」(グラバド国際美術館/アルゼンチン)、「現代版画 技術と表現」(黒部市美術館/富山)、06年 「ART Shanghai2006」(上海)、07年 「15th International Triennial of Graphic Arts, Sofia」(ブルガリア)、10年 「今日の版画・10」(南魚沼市立今泉博物館/新潟)などに出品。

八木なぎさ展

PHOTO(上から)
作品:「night and day」2018年 リトグラフ/紙 28.0×38.0cm
作品:「marsh(湿地)」2018年 リトグラフ/紙 43.0×56.0cm
作品:「Bridges」 2018年 リトグラフ/紙 15.3×111.0cm

→前回の個展


関連イベント

2/11(祝・月) リトグラフのワークショップ

講座「アルミ版を使ったリトグラフを作ろう」

●会場:新潟市美術館・実習室(新潟市中央区西大畑町5191-9)
●講師:八木なぎさ(画家・版画家・女子美術大学短期大学部教授)
●定員:20名 
●ご用意いただくもの:下絵、筆記用具 *汚れてもよい服装でご参加ください
●参加方法:事前申込制・材料費3千円を事前に新潟絵屋にてお支払いください。
●主催者・お申込先:認定NPO法人新潟絵屋
TEL. 025-222-6888
info@niigata-eya.jp

講座 「アルミ版を使ったリトグラフを作ろう」

今回は一版単色刷りです

「木版画」や「銅版画」という言葉から版に用いる材料が「木」や「銅」であることを連想できるように、石版画は18世紀末に誕生した「石」を版材に使う印刷技法です。
 石版画の技法を発明、開発したゼネフェルダーは自身の戯曲を印刷するため、化学の知識を駆使して生涯を石版術に捧げました。現在リトグラフの技法として使われているほとんどのアイディアは、ゼネフェルダーの時代に彼が考え出したものであり、彼がその発明を特許を取り世界に広げたために、印刷の技法も発展し現在に至ります。
 今回は、アルミ版を使ったリトグラフの制作を通して、描くことがそのまま版画になる不思議な興奮と喜びを感じていただけたら・・と思います。 (レジュメより)

作業工程

1. 絵を描く(あらかじめ15×21cm以内の下絵をご用意ください)
2. 版に下絵を写す
3. 版に描画する リトグラフ用の画材(ダーマトグラフ、ボールペン、解墨など)を使って版に描画し、アラビヤゴムを塗ります
4. 専用の材料で画材を溶かす
5. 専用の材料を塗る
6. 版を水洗いしながらインクをつける。アラビヤゴムが水に溶けて、描画した絵がうっすら浮き上がってきます
7. 紙をのせて刷る
8. 完成(写真)

上原木呂展

1/17[木]―30[水]

◎1/26[土]14:00―パフォーマンス開催急遽決定!

niigata eya exhibition 566

エチゴビールをはじめた頃の上原木呂さんは、とてもスマートな、颯爽とした感じがあった。もっとも、そう感じたのはこちらの方で、木呂さん自身の中には、もっと土俗的で、すさぶる力が、当時からうごめいていたのだろう。社会的な役割を離れ、表現行為に没頭するようになった上原木呂が、近年生み出し続けるものは、チミー(魑魅)一族にせよ、rabbi一族にせよ、南無観世音にせよ、こんにゃく絵画や畳フロッタージュにせよ、やぶれかぶれの剛力ともいうべきものが炸裂する感がある。旧巻町に残る「のぞきからくり」のあるべき保存の形を語る熱い言葉を聞いたとき、その淵源は、きっとこの人の幼少年期にあるのではないかと思った。西洋のシュルレアリスムに触れ、新たな青年期の火を得、実業の世界を抜けて、いま人生のすべての時期が、ひとつに溶け、炎上している。 (企画・大倉宏)

上原木呂(うえはら きろ)
1948年巻町(現・新潟市西蒲区)生まれ。美術家、パフォーマー。69年東京芸大を中退。美学校博物細密画工房で立石鐵臣に師事。瀧口修造と知り合い強い影響を受ける。限定小冊子の制作、野外のハプニング等の活動の後、イタリアに渡り古典道化演技を学び、俳優、演出家として20ヶ国、300公演に関わる。88年帰国。作品制作は多産で多彩な展開。大きく分類して「水墨抽象」「色彩抽象」「キャンディ・ポップ」「シュルレアリスム」がある。https://uehara-kiro.jimdo.com

上原木呂

PHOTO(上): 「時の化石」
PHOTO(下): 「無題」「日課仏」「チミー一族」


関連イベント

上原木呂パフォーマンス
「音なひ」
紙による音と造形

26[土]14:00-

無料/予約不要 
パフォーマンス中も展示作品は見ていただけます。
◆会場:新潟絵屋展示室

七里知子 メゾチント作品展 @北書店画廊

12/3[月]-26[水]
会場:北書店画廊

 新潟絵屋での「七里知子 個展 -Reverberation-」(12/2~12)と同時期に、別会場で別技法による、七里さんのもうひとつの世界をご覧いただけます。数年前にも北書店でご紹介して、七里さんの銅版画が北書店の雰囲気とも合っていたのが印象的でした。油彩と版画、絵屋と北書店でぜひおたのしみください。

新潟絵屋での展示「七里知子 個展 -Reverberation-」と同時開催

PHOTO:「薬子の戯れ」 メゾチント/雁皮刷り 30×30cm


会場情報

北書店画廊

新潟市中央区医学町通2-10-1 ダイヤパレス医学町101月~金 10:00-20:00・土日祝12:00- 会期中の休み:12/16(日)

蓮池もも展<前期>

〈前期〉12/14[金]―24[振休・月]
〈後期〉2019 1/5[土]―14[祝・月]

niigata eya exhibition 565

 今年集中的に制作された蓮池もものマトリョーシカの連作と、それに並行し、また先立って制作された絵を展示する。
テーマは母子。近年の作同様に、画家の実人生が映る作品群だ。「母子」はひとつの幸福の形だが、物語における母子には、別れ、相克、離反などさまざまなドラマが描かれてきた。絵は、実人生の、現在の実感と、過去と未来の物語的時間軸の彼方に浮かぶ、波浪やうねりをも遠く響かせている。
 そのドラマの波を、シンプルな形式にたたみこんだようなマトリョーシカは、素朴で、愛らしい外観のうちに、昔話のような深みを、感じさせている。蓮池もものマトリョーシカ。新潟絵屋がいろいろな画家に依頼してきたシリーズの延長とはいえ、これもひとつの、思いがけないドラマだ。
 年末と新年にかけての展示の、半ばで、作品の入れ替えを行う予定です。ぜひ二度、ご来廊下さい。(企画・大倉宏)

蓮池もも(はすいけ もも)
1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07・08・09・10・11年画廊Full Moon、12年砂丘館で個展。新潟絵屋では10・12~17年毎年個展、15・16年ギャラリー島田にて個展開催。12~14年『絵屋便』表紙絵を連載する。加茂の白茅俳句会が季刊発行する『白茅』で「森の奥 湖の底」(画とエッセイ)を連載中。十日町市在住。

これまでの個展
2017年
2016年
2015年
2012年砂丘館

蓮池もも

蓮池もも

PHOTO(上): 「マトリョーシカ」2018年 アクリルガッシュ/木 高さ(最大)10.8(中間)8.6(最小)5.6cm

蓮池もも

PHOTO: 2018年 アクリルガッシュ/シナベニヤパネル 24.1×41.0cm


後期につづく

蓮池もも展〈後期〉

2019 1/5[土]-14[祝・月] ※作品が入れ替わります

七里知子個展 -Reverberation-

12/2[日]―12[水]

niigata eya exhibition 564

 むかし、大学の色彩学の授業で「孔色(こうしょく)」という言葉を教えられた。
 孔にのぞく青空のように、物体に付いた色ではない色、と習った。ふつうの色は物に付いている。抽象絵画でさえ、画布や画紙というモノに固着している。近年の経験では、パソコンが立ち上がる直前の、液晶画面に浮かぶ単色が、孔色に近いような気がする。
 七里知子の絵の美しい色も、綿布というモノに付いているのだけれど、向かい合うと、なぜか孔色を感じる。そこに映る色彩の起伏は、空や雲や水面のそれを思わせるが、輪郭を画面の外に押しやることで、全体が孔色化し、空や雲や水のモノ性から、色が解かれている。液晶画面の単調からはるかに遠い豊かさが、モノと空間の二分からも、画像のイリュージョンからも区別されて、呼吸するように輝いている。 (企画 大倉 宏)

七里知子(しちり ともこ)
1978年北海道生まれ。2002年京都造形芸術大学美術工芸学科洋画(現・油画)コース卒業。04年同大学院芸術表現専攻修士課程修了。06・07・09・11・12・13・14年Gallery MIYASHITA(札幌)、16年アートスペース虹(京都)、新潟絵屋にて油彩作品の個展。恵文社一乗寺店、kit、ちせ(京都)、ポポタム(東京)や北書店にてメゾチントによる小品を発表。京都市在住。tomoko-shichiri.main.jp

七里知子

七里知子

七里知子

七里知子

七里知子

PHOTOいずれも:「Like all the same」2018年
白亜・シルバーホワイト・油彩パネルに綿布 15.8×22.8cm

同時期開催

12/3[月]-26[水]
会場:北書店画廊

 新潟絵屋での「七里知子 個展 -Reverberation-」(12/2~12)と同時期に、別会場で別技法による、七里さんのもうひとつの世界をご覧いただけます。数年前にも北書店でご紹介して、七里さんの銅版画が北書店の雰囲気とも合っていたのが印象的でした。油彩と版画、絵屋と北書店でぜひおたのしみください。


会場情報

北書店画廊

新潟市中央区医学町通2-10-1 ダイヤパレス医学町101月~金 10:00-20:00・土日祝12:00- 会期中の休み:12/16(日)


これまで

2016年の個展の様子
2015年北書店画廊「七里知子 メゾチント作品展 Yukar」
2014年の個展「風景の行間」の様子
2014年北書店画廊

SHOP 後藤哲男 遊びの道具展 — 木のアクセサリー篇

11/24[土]-12/24[振休・月]

12月の休廊日/1日、13日、25日~2019年1月4日

shopスペースにて
event12/9[日]10:00〜11:00 木のネックレス作りワークショップ

建築家の後藤哲男さんは、木製の遊びの道具作りに夢中です。見て遊んだ私も夢中になりました。パーツを組み合わせて形を作るものや、球が転がる道を作って遊ぶもの、基盤から飛び出た棒を木槌で叩くもの、木馬など。このたび挑戦するのは、イヤリングやネックレスなどのアクセサリーです。後藤さんは同じものは作らないというルールを設定し、ますます制作をたのしんでいる様子。さて、どんなものが生まれてくるでしょう。たのしみです。(企画・井上美雪)

後藤哲男(ごとう てつお)

1952年生まれ。東京大学工学部都市工学科、エコール・デ・ボザール卒業。工学博士、一級建築士、フランス政府公認建築家。長岡造形大学前教授。個展は2014・15年ギャラリーmu-an(現・maison de たびのそら屋/長岡市)、2018年ギャラリーみつけ(見附市)にて、遊びの道具展「まだ見ぬ君への贈りもの」など。

後藤哲男 遊びの道具展 — 木のアクセサリー遊び
後藤哲男 遊びの道具展 — 木のアクセサリー遊び
後藤哲男 遊びの道具 アクセサリー
後藤哲男 遊びの道具 イヤリング
後藤哲男 遊びの道具 イヤリング

event
木のネックレス作り
ワークショップ
日にち:12/9(日)10:00〜11:00
会場:新潟絵屋展示室
講師:後藤哲男
材料費300円〜
(1ピース100円、革紐200円、ご希望により金具100円)

ちいさな三角、四角、家型のパーツを組み合わせ、紐の通し方や結び方を工夫したりしながら、制作を通じて遊ぶ時間です。
小人さんもウェルカム!
誰もが子どもの頃に体験した遊びの時間を思い出し、後藤さんが出会った制作のたのしみを分けてもらうようなひとときになると思います。


SHOP関連情報

万年カレンダー「日暦」リニューアル発売

青松ワークスの木工オーナメント

松本健宏さんの干支もの