studio mon-門のアクセサリー展示

3月2日fri―30日fri

vol.551 会場:展示室に隣接するショップスペースにて

「人生の達人たちにささぐ」

ちいさな世界に無限を感じつくりはじめたアクセサリー
指先で粘土をコロがし生まれた象(カタチ)たち
つくることで象は転がりまた、新たな発想へ

ただ一つのモノ(一点モノ)での展開です
新しいモノを身につけること、オシャレすることで
新たなエネルギーが湧くことと思います

春を楽しむアクセントに!

(studio mon-門)

PHOTO(上): チョーカー

石田佳子展 “はなをそえ”


関連イベント

絵本イベント

3/14[水] 10:00〜11:00

studio mon-門のアクセサリー展示に合わせ、「飾る」をテーマに絵本を鑑賞します。いつもとは違う時間の流れに乗ってお話の世界へ。『おさるとぼうしうり』など。 読む人: 豊島京子 参加費:300円

カテゴリー: art

しんぞう展

3月17日sat―30日fri

vol.552

 スイスの画家クレーは点、線、面、色など形の要素の種子から発芽し、有機的に成長し、絵が生まれると考えた。
 クレーの絵の豊かなイメージは、造形の果てに実る果実のようなものだったようだ。
 横浜生まれの新潟の画家しんぞうの絵は、イメージから逆に始まる。浜で見かけた鳥の足跡、おしゃべりの中で記憶に残ったこと、子育中に気づいたこと。
 いろいろな場所からイメージが紙に舞い降り、進化や変化(へんげ)して現れる絵は、時にショッキングだったり、謎めいていたりする。発端のイメージを語る画家に耳を傾けていると、目が開かされることが多かった。
 その絵を時折、日本家屋である砂丘館の床の間や壁にかけている。日々目にしていると、絵のイメージが時に遠ざかり、違うものが見えてくる。たとえばこれらの絵には、幾何学的空間である日本間に拮抗する骨格の強さがあるということ。言葉を変えれば造形の確かさ。
 クレーの絵とは逆にイメージの種子より成長し、造形=強度のある絵画空間の果実を実らせる樹がある。(企画 大倉 宏)

しんぞう_視線

しんぞう
1974年横浜市生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。個展は、新宿眼科画廊(東京)、DAMギャラリー(韓国)、福住画廊(大阪)、ギャラリーsfera(京都)、2012年砂丘館 「あなたの心の裏の河」(新潟市)、13~16年新潟絵屋など。そのほか09年 「大地の芸術祭」に出品。芸術道場GP(グランプリ)銀賞、第29回損保ジャパン美術財団選抜奨励展入選、第44回神奈川美術展入選など受賞。装画に 「臨床の詩学」(春日武彦・著/医学書院)がある。新潟市在住。 www.sinzow.com

PHOTO(上): 「最後は自由になる、」2017年 墨/和紙 41.0×66.0cm
PHOTO(下): 「視線」2017年 墨/和紙 47.5×32.0cm


関連イベント

ギャラリートーク 「絵のはじまる場所」

3.24[土]15:00〜16:00
聞き手: 大倉 宏 参加費500円 申込不要

渡邊 博 展

3月2日fri―10日sat

vol.550

 渡邊博の新潟絵屋での展示は2人展を含めて今回で7回目。
 はじめて砂丘館との2会場での展示となる。内容も回顧展的に旧作と新作をとりまぜてもらった。年末に久々に南房総市の渡邊さんの家を訪ね、絵を新潟に運んだ。数年前に発症したガンの治療で病院通い。最近は椅子に座ることもできず、楽しみにしていた新潟にも来られないと、後日連絡をいただいた。
 その砂丘館の案内状に原稿を依頼したら、長文の回想が送られてきた。サラリーマン生活をやめ東北、北海道、静岡と放浪した日々のことが前半に綴られている。放浪とは何だろう。それは世界のどこにも、自分の終の住処がないことを確認する、果てのない旅なのだ。
 日展、光風会という住処も早々に捨て、個展で発表し続けてきたことだけでなく、渡邊博の絵の軌跡がひとつの放浪の姿をしている。住処のないことが住処であるような放浪感覚-浮遊感は、この人の絵を貫くエネルギーの源である。近年はもっぱら水彩を描いてきたが、水彩とは思えない巨大な画面の数々が砂丘館の会場で展示される。
 絵が秘める空間の大きさ、奥深さは新潟絵屋に並ぶ小品にも共通している。
 この町に生まれた素晴らしい画家の全体像を、新潟の人たちに知ってほしい。
(企画 大倉 宏)

渡邊博_哀しみの残滓B渡邊 博(わたなべ ひろし)
1938年新潟市生まれ。熊谷喜代治にデッサンを学び、後笹岡了一に師事。日展、光風会に出品し66年光風会会員となるが、68年退会。以後は紀伊国屋画廊、美術ジャーナル画廊、現代画廊、ギャラリーXepia、ギャラリー汲美、(株)東京現像所、K’sギャラリー(いずれも東京)、ギャラリーDEN(ドイツ・ベルリン)などで個展により発表。新潟での個展は91年新潟伊勢丹、2002・05・08・12・16年新潟絵屋。千葉県南房総市在住。

砂丘館にて
「闇の明るさ 渡邊博展」 同時期開催中。2月23日―4月1日(好評につき最終日が延期になりました)

詳細は砂丘館HP www.sakyukan.jp へ

PHOTO(上): 「傘の女」1990年 油彩/キャンバス 53.0×53.0cm
PHOTO(下): 「哀しみの残滓」2016年 水彩/紙 34.0×12.0cm

佐藤 美紀 展

2月17日sat―28日wed

vol.549 作家在廊予定日: 2/17、18、24〜26、28(いずれも午後)

 昨年末、新潟市と南房総市を車で往復した。途中首都高に入ったが、ここは次々と分かれ道になる。慣れない私は、今回も間違って、呉服橋で町に出てしまった。
 佐藤美紀の絵は、にぎやかな都市のようだ。その中空には、迷路のような道が血管のようにめぐり、そこをなにかが、絶えず、スピーディに行き交っている。この人にとって、絵を描くことは、ランプを上昇し、一気にそれらの道に走り込み、そのなにからとともに、この敏活な都市の迷宮道路を飛ばすことなのではないか。不慣れな私のように、間違って出口から落ちてしまうことはない。ハンドルを切り、アクセルをふかして支えのない道をどこまでもいく。窓を開けると猛烈な風とともに、都市の叫びが、喧噪が、匂いが、まばゆい光と色が、吹き込んでくる。
(企画 大倉 宏)

佐藤美紀「2017136」

佐藤美紀(さとう みき)
1974年 群馬県生まれ。97年多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。2002年より新潟市在住。2012年の初個展以来、毎年数回の個展を県内外で開催。キャンバスを支持体にした大作を主軸に、ガラス絵やドローイングなどを制作。油彩に深く心酔しており、技術と身体の完全なる合一を夢見つつ、日々作品を生み出し続けている。

PHOTO(上): 「2017154」2017年 油彩/和紙 96.0×185.0cm
PHOTO(下): 「2017136」2017年 油彩/紙 130.0×130.0cm

清水 伸 展 「夜」

2月2日fri―14日wed

vol.548 作家在廊予定日: 2/3〜5、9

 清水伸はよく話す。しゃべる、と書いたほうがぴったりかもしれない。
 言葉のおおい画家を長く苦手に感じていた。けれど一昨年佐渡の個展を見に行き、ある絵の前でおしゃべりを聞いていた最中、だしぬけに、興味を持ち出している自分に気付いた。
 それが図版の絵で、放射状の格子は爆撃機B29の操縦席の風防ガラスの枠。テニアン島を飛びたった若いアメリカ人パイロットたちが原爆を落とすことができず、列島を越え、北の海の空でオーロラを見た。その光景を描いたという。
 現実を、非現実に変換する妄想の生き生きとした流れが、言葉に、絵に、あった。
 新潟ゆかりのパリ在住美術家たちのグループ展が、新潟市で開かれる。それにあわせ、この異色作を新潟絵屋に並べたいと思った。画廊ですから、販売も考えなければなりませんと話すと、パリから故郷の佐渡に戻るフェリーから今度の個展のテーマを夜にしたいと連絡が来た。そうすると、良寛の書を描いた絵も並ぶんですという。
 どんな妄想の夜が冬の画廊に広がるのだろうか。
(企画 大倉 宏)

清水伸 コックピットのオーロラ

清水 伸 (しみず しん)
1947年旧佐渡郡相川町生まれ。武蔵野美術大学で山口長男に師事。77年にパリへ拠点を移し、89年より佐渡とパリで制作。日仏両方の地で発表を重ねる。主な新潟での個展は1994年(創庫美術館)、2001・06年(知足美術館)、04年(佐渡市博物館ギャラリー)、09・15年(ギャラリーほたる縁・佐渡)など。新潟市美術館、新潟県立近代美術館・万代島美術館に作品収蔵。

PHOTO(上): 「夜の五合庵」良寛の書「いろは」より 2015年 アクリル/韓国紙 140.0×55.0cm
PHOTO(下): 「コックピットのオーロラ」 油彩/紙+キャンバス 140.0×240.0cm


関連イベント

清水 伸 ギャラリートーク 「夜について」

2月9日fri 18:00〜19:00 参加費500円 申込不要 聞き手: 大倉 宏


本展と同時期に、清水さんは別会場での企画に作品を出品されています。
三会場をめぐってお楽しみください。

羊画廊

パリの新潟—三人展 清水 伸・原田哲男・水上貴博
2月2日fri~13日tue
新潟市中央区古町通8-1438 TEL. 025-224-1397
11:00~18:00 (日・祝日17:00、最終日16:00) 水休

新潟市新津美術館

パリに生きる新潟の作家たち
1月27日sat~3月11日sun
新潟市秋葉区蒲ケ沢109番地1 TEL 0250-25-1300
10:00~17:00 月休 (2.12および3.5開館2.13休)

蓮池もも展〈後期〉 

2019 1/5[土]―14[祝・月]

niigata eya exhibition 565

 後半に追加展示するアクリルガッシュの絵は、すりガラスに映った影像のような、半透明感が印象的だ。
 新しい描き方を画家は試みようとしている。現れた世界は、2014年の、色鉛筆による光る人のシリーズに似るが、細い、線のようで「引かれた感」のない輪郭で区切られた人や生き物と、周囲の空気の存在密度の差が縮まり、かすかに揺れ動く低音のノイズ音楽のような、どこか不安げで、それでいて心を鎮める独特の響きを奏でている。今は消えた遊牧民の暮らしの蜃気楼のような気配が、美しい。
 技法的な、新しい挑戦もはらむ、この(蓮池ももの連作としては)短いシリーズの最後に、群像があらわれ、画家はすでにはじめられていたマトリョーシカの制作へ全面移行した。(企画・大倉宏)

蓮池もも(はすいけ もも)
1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairs、07・08・09・10・11年画廊Full Moon、12年砂丘館で個展。新潟絵屋では10・12〜16年毎年個展、15・16年ギャラリー島田にて個展開催。12~14年『絵屋便』表紙絵を連載する。俳誌『白茅』13号から「森の奥 湖の底」(画とエッセイ)連載。十日町市在住。


蓮池もも展︿後期﹀

PHOTO(上)
「母と子」24.4×16.3cm 2018年 アクリルガッシュ/紙

>PHOTO(下)
「はじまりの日」15.3×24.3cm 2018年アクリルガッシュ/紙
「母と子」24.3×15.9cm 2018年アクリルガッシュ/紙
「女たち」17.0×24.3cm 2018年アクリルガッシュ/紙


関連イベント

ギャラリートーク

12[土]18:00-19:00

ゲスト:蓮池もも/聞き手:大倉宏 ◆参加料:500円
予約不要 ◆会場:新潟絵屋展示室


蓮池もも展〈前期〉

2018 12/14[金]―24[月]