吉冨ひろみ展 ― 時の波打ちぎわで Ⅹ―

10/2[火]―10[水]

11:00―18:00(最終日―17:00)

Open Eya vol.5

出品作品
F100号 ~ 4号 約20点
綿布にソフトパステル他。

作家在廊予定日:10/2.5.6.10終日

吉冨ひろみ(よしとみ ひろみ)
新潟県生まれ。東京都府中市在住。
横浜で日本初の現代美術の学習システムとして発足したBゼミスクール修了。
1986年より個展などで作品を発表する。活動拠点である府中市がウィーン市と友好都市であることから、NPO法人アートプロジェクトTAMAが主催する展示やワークショップに参加。2014年ウイーン美術学校で石版画を学ぶ。
作家ホームページ
吉冨ひろみ
「季節は巡る 冬、春、夏、秋……夏」
2016年 パステル・鉛筆/綿布 162.1×130.3cm

吉冨ひろみ2012
「季節は巡る 冬、春、夏、秋……冬」
2012年 パステル・鉛筆/綿布 116.7×116.7cm

華雪展ギャラリートーク

9/7[金]19:00―20:30

参加料:1,000円

会場:新潟絵屋

 華雪展「文学」の作品には、さまざまな詩や小説などの引用があります。幅広い分野の本を読んで来られた桾沢和典さんを聞き手に迎え、華雪さんのお話を伺い、作品に歩み寄ってみるひとときです。事前申込は不要です。お気軽にご参加ください。

聞き手:桾沢和典(Bricole)
話し手:華雪
1975年京都府生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了、東京都在住。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。刊行物に『石の遊び』(平凡社、2003)、『書の棲処』(赤々舎、2006)、『ATO 跡』(between the books、2009)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)など書籍の題字なども手がける。
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上の写真: 花坊 2018年公開制作より


華雪「花」

PHOTO: 「花」 2018年 (岑参『山房春事』より)

9/1[土]―11[火]

新潟絵屋 企画展 vol.560
作家在廊予定日:9/1・4〜7

 文学は、美術と同じように、明治に作られたか、当てられた翻訳語だと思うが、美術がやがて自画像の流行から、自己や真実、リアリティを探し、写す道具や、鏡になっていったように、文学もそうなった。書は、そのような文学と美術の合流点であって、分岐点でもある。と、いうことに、近代の文学のコトバを書く華雪の書を見て、はっと気づいた。何を探し、それは映しているのか。あるいは何から、離れていくのか。
 山之口貘「ねずみ」。その、一枚の「ねずみ」を、華雪はJR佐々木駅から二宮家の米蔵に向かう途中の小さい橋から実際に見た、という。そのことが、一枚の書としてある。ここに。(企画 大倉 宏)

華雪(かせつ)
1975年京都府生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了、東京都在住。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。刊行物に『石の遊び』(平凡社、2003)、『書の棲処』(赤々舎、2006)、『ATO 跡』(between the books、2009)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)など書籍の題字なども手がける。

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華雪 ねずみ

生死の生をほっぽり出して
ねずみが一匹浮彫みたいに
往来のまんなかにもりあがっていた
まもなくねずみはひらたくなった
いろんな
車輪が
すべって来ては
あいろんみたいにねずみをのした
ねずみはだんだんひらくたくなった
ひらたくなるにしたがって
ねずみは
ねずみ一匹の
ねずみでもなければ一匹でもなくなって
その死の影すら消え果てた
ある日 往来に出てみると
ひらたい物が一枚
陽にたたかれて反っていた

山之口貘「ねずみ」より
PHOTO:「ねずみ」 2013年 (山之口貘『鮪に鰯』より)

華雪「家」

PHOTO: 「家」2017年(長谷川四郎『老家抄』より)


本展は、書店に巡回します
巡回展 ~ほんといっしょにたのしめる~

9/13[木]―30[日]華雪展 「文学」 ◆ 巡回展
会場:北書店(新潟市中央区医学町通2番町10-1-101 tel.025-201-7466)
営業:10:00~20:00 (土日祝 12:00~20:00)
定休日:第1・第3日曜日
書店を会場とした巡回展では、作品と連動する書籍とともに展示を行います。書籍からどのような共鳴を持って作品がうまれたのか、ぜひじっくりとご鑑賞ください。書籍は購入も可能です。

華雪篆刻感時花涙

篆刻「感時花濺涙」2018年 12.0×12.0cm(edition30)

時世の悲しみを感じては、花を見ても涙がこぼれおち
(杜甫『春望』より)

→新潟絵屋「華雪展 文学」2018.9.1-11

絵のある空間で愉しむ3 「ちょいわるロック」

9/14[金]19:00―20:30

絵のある空間で日本酒とおつまみスイーツを楽しむ人気のシリーズ第3弾です。
今回は新潟絵屋で、9月13日から3日間の会期で開催される写真展「西橋八郎兵衛を撮る」(撮影:二科会写真部新潟支部有志)会場で行います。
佐渡の文弥人形と人形遣いの西橋八郎兵衛(猿八座)氏の、美しくも緊張感あふれる世界を撮影し、そのまま展示したライブ感あふれる作品を、日本酒とともにじっくり味わってください。
「日本酒シフォンケーキ」とシンプルな「塩むすび」を、オンザロックの日本酒でお愉しみいただきます。ぜひお気軽にご参加ください。

●参加費:3,000円(先着10名限定)
●会場・申込:新潟絵屋

二科会写真部新潟支部有志メンバーによる、3日間限定の写真展の会場で開催します。
佐渡・文弥人形と人形遣いの西橋八郎兵衛(猿八座)氏を古いお屋敷で撮影した作品。

日本酒チョイス:吉川酒店(新潟市中央区西厩島2364)
おつまみスイーツ:Bake A.(新潟市中央区営所通2-692-21)
塩むすび:Yoshiko Cooking Salon(新潟市中央区西堀通)
器提供:花きりん(新潟市中央区西堀通5-838)

Bake.A

華雪公開制作と「場について」トークイベント

9/1[土]

◆16:30―17:30 公開制作 (参加料:1,500円・コーヒー付)
◆19:00―20:30 トークイベント「場について」(参加料:2,000円・コーヒー付)
◆公開制作+トーク通し参加料:3,000円・コーヒー付

会場:ツバメコーヒー(燕市吉田2760-1 tel.0256-77-8781 tsubamecoffee.com

 写真が写実的絵画の意味を変え、電子メールが手紙の意味を変え、iPhoneが腕時計の意味を変えたように、オンラインショップがお店の意味を変えようとしています。現代において、わざわざ足を運ぶことでしか得られないもの、見ることができないものとは何なのでしょう?カフェもギャラリーも、商品を買うための場でありながら、そこで過ごすための「場」としても機能しています。店主と話すために、集う友と語らうために、あるいはそこにある作品と対話するために、またあるいは予期せぬ何かと巡り会うために、場に赴くとしたときに、これからの「場」とはどうあるべきでしょうか?書が生まれる光景は、その場の空気を変えてしまうでしょうし、その書が飾られた空間もまたなにかを変えてしまうものです。今回は華雪さんによって書が生まれる場に立ち会うことによって、私たちにとって必要な(ありうべき)「場」とはどうありうるのか?について、体験を通じて探っていこうとする試みです。ご都合がつけば、公開制作とトークイベントを合わせてご参加いただくことをおすすめいたします。

ゲスト:華雪
1975年京都府生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了、東京都在住。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。刊行物に『石の遊び』(平凡社、2003)、『書の棲処』(赤々舎、2006)、『ATO 跡』(between the books、2009)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)など書籍の題字なども手がける。kasetsuws.exblog.jp
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ナビゲーター:阿部ふく子
新潟大学人文学部准教授。専門は近代ドイツ哲学、哲学教育。哲学プラクティスの活動に関心があり、地域のさまざまな人々や小学校と連携して哲学対話を推進している。

主催:つばめの学校+新潟絵屋
「つばめの学校」は、燕市の若者が運営する「つばめ若者会議」のプロジェクトのひとつです。自ら学ぶと共に「学びの場」を提供し、講師・メンバー・参加者のみんなで一緒に「学び」を体験し、交流を深めるため、さまざまなイベントを企画しています。

PHOTO: 花坊

→新潟絵屋「華雪展 文学」2018.9.1-11

美術分野における新潟市内組織基盤の形成と新たな可能性に関する調査研究 その1

  この調査は、認定NPO法人新潟絵屋の「美術分野における市内組織基盤の形成と新たな可能性に関する調査研究」の一環として、2018年の1月から3月にかけて行いました。

  この調査研究の目的は、新潟市域の美術をめぐる総合的な現状把握です。もちろん、それは一回の調査で実現できることではありませんので、さらに追加の調査を、今後重ねて行きたいと考えています。

 今回は市内の美術団体・グループと画廊を調査対象としました。
調査はアンケートとヒヤリングによって行いました(ヒヤリングは一部の画廊の責任者にお話を聞く形で実施しました)。
 調査内容は「調査を終えて(アンケート結果と考察)」の「はじめに」に記しましたが、ヒヤリングを行なった理由は、多様な画廊の誕生とその活動が2000年以降の新潟市において、大きな意味を持つのではないかと判断し、それらの画廊の活動の具体的内容と、画廊の方々が考えておられることを、直接伺うことが、調査目的にかなうと考えたためです。

  現状把握の先には、それに基づいての新潟市の美術をめぐる状況の問題と課題の認識、関係者間でのその共有、さらには課題解決に向かうため、美術に関わる人々や、美術(芸術文化)行政に関わる人々の意見交換・議論のための場作りを構想しています。

 その先に調査の表題に掲げた「美術分野における市内組織基盤の形成と新たな可能性」があると考えています。

 調査にご協力いただいた各位に深く感謝申し上げます。

2018年3月 認定NPO法人新潟絵屋

調査を終えて(結果と考察)

はじめに

  本調査はアーツカウンシル新潟 (公益財団法人 新潟市芸術文化振興財団)「文化芸術基盤整備促進支援事業」の助成を得て、認定NPO法人新潟絵屋がおこなった。

 調査の目的は、新潟市域の美術をめぐる総合的で正確な現状把握であるが、その先にその内容の公開が、美術活動に関わる人同士の情報の共有を図り、互いの理解、交流、連携の基盤となることを考えた。またそれぞれの活動の内容、抱えている課題、新潟市の現在の美術をめぐる状況に対し感じたり、考えたりしていることを知ることによって、関係者間で話し合われるべき今後の課題も示唆できればと考えた。

 調査はアンケートとヒヤリングによっておこなった。

 調査の対象は主に美術作品の作り手たちが中心となっている美術団体・グループと、美術作品を展示・販売する場を運営している画廊とした。

 それぞれの団体や店舗の基本的な情報の収集にあわせ、抱えている課題、また新潟市の美術をめぐる状況について感じていることや意見を記述式で回答してもらい、また7つの画廊には直接ヒヤリングをおこなった。

アンケートの質問項目は下記の通り

■美術団体・グループ

基本情報(設立年、活動内容、活動場所など)

抱えている課題

新潟市の美術状況についての意見

■画廊

基本情報(設立年、活動内容、活動場所など)

企画展示と貸し展示の割合

展示における新潟ゆかりの美術家の紹介の割合

美術品販売について

抱えている課題

新潟市の美術状況についての意見

 回答結果と、そこから見えてきた、美術をめぐる新潟市の現在の状況について

( 1 )美術団体・グループ

( 2 )画廊

の順に考察する。

___________________________
●新潟市域の美術団体・グループ
アンケート回答数 17
●新潟市域の画廊
アンケート回答数 19
ヒヤリング協力数 7
__________________________

( 1 )美術団体・グループ

 今回調査は、新潟市の美術団体を十分に網羅する資料と情報の不足から、アーツカウンシル新潟から紹介をいただいた5団体と、各地域の区役所・公民館からつながりのある団体、グループにアンケート用紙をお渡しいただいて回答を集めるという方法に拠った。

 回答のあった団体、グループを活動内容から分類すると

 a 公民館等を拠点にして制作活動を主におこなう団体、グループ

 b 制作活動と自ら主催する発表活動をおこなう団体、グループ

 c 制作活動・啓発活動・鑑賞活動・発表活動などをおこなう団体、グループ

に大別される。

 aには 亀田美術クラブ、北部書道会、陶芸木曜クラブ、ちぎり絵サークル黒埼北部教室、松浜表装・表具クラブ、水彩グループ関屋

 bには 絵画グループ求美会、写游、新水墨画会、にいがたアートサーカス、七宝焼きクラブ、萌木会、楽水会

 cには 新潟市北区美術協会、新津美術協会、日本水彩画会新潟県下越支部、新潟市美術協会

がある。

 これらの団体、グループが抱える課題として非常に多くの回答者が挙げたのが「会員の高齢化」「会員数の 減少」「若い会員の少ないこと」である。この結果に関しては、「若い世代がつくる美術グループ」(例えば2009 年にはじまった「水と土の芸術祭」に関連して活動を始めたグループなど)からの回答が少ないか、得られな かったからという理由が考えられる。しかし、少なくとも回答を得た団体、グループに関しては、共通して次世代への活動の継承が困難な状況に突き当たっていることが浮き彫りになった。特に活動歴が30年以上に及ぶ団体、グループの約7割がこれらを課題に挙げていることから、これまで新潟市域での民間における美術に関わる活動の中心を担ってきたと思われる団体、グループの今後の活動力や影響力の低下が、メンバーの 高齢化によって避けられない、差し迫った課題となっていることが分かる。

 その原因を「新潟市の美術の現状についての意見・要望」の回答に探すとすれば「公民館活動が市民の活動を十分に掘り起こしていない」「既存の団体の刺激的な情報発発信力の不足」「既存の公募展(県展、市展など) の内容のマンネリ化」などが挙げられよう。

 考えさせられるのは、今回は非公開希望の意見(意見の発言者が特定されることを希望しないという意味と解釈し、ここに記述者を伏せて紹介させていただく)の中に「これまでの古い美術でなく、現代アートなども取入れていくべきか、課題は多い」というものがあったことである。今回回答を寄せた団体、グループの大半が「絵画」「写真」「表具」「書道」「水彩画」「水墨画」「陶芸」「ちぎり絵」など、いわゆる「現代アート」が一つの社会的存在としてクローズアップされてくる以前の「美術」のジャンルを基盤に結成されている。

 この非公開希望の意見が示すように、これらの団体、グループの高齢化の背景には若い世代を引きつけている「現代アート」の潮流と、団体やグループの活動内容が、結果的に連続性を持たなくなってしまったことが あることが考えられる。

 一方で「現代アート」の潮流に根ざす美術団体、グループの新潟市域における存在、活動のついては今回のアンケートでは十分に把握することができなかった。

( 2 )画 廊

 現在の新潟市域における美術の状況を考えるとき、画廊の存在は重要である。

  しかし画廊の多くは個人経営であり、経済活動の面から見れば個人商店という性格を持つものでもあるため、その全体像を把握することが、なかなか難しい。

画廊と商店の境はあいまいだが、今回は所有または借用するスペース(商店であれば店舗)において「展覧会」を開催していることを基準にアンケートとヒヤリング調査をおこなった。具体的には認定NPO法人新潟 絵屋が2008年から毎月発行している「新潟島とその周辺 ギャラリー&ミュージアムマップ」に展覧会情報 が掲載されている画廊や店舗を「画廊」と考えアンケートを実施し、そのほとんどから回答を得た。

  回答のあった26の画廊のうち、24が2000年以降の設立であることから伺えるように、新潟市域における画 廊設立の活発化はこの10数年の間に起こったひとつの社会現象と考えられる。画廊はほとんどが個人経営で あり、後継者のない場合には、個人がなんらかの理由で活動が続けられなくなり、休止することが多く、組織 を持つ美術団体より、活動の期間が比較的短くなる傾向があることを考慮しても、2000年以降の新潟の画廊 の全体数の増加は、実際に画廊を営むひとりである筆者も、実感として感じている。

  新潟市は2001~2005年に近隣の14の市町村と合併し、広域市となったが、今回回答を得た画廊のうち旧新潟市に合併された地域(現在の西蒲区、南区、北区、江南区、秋葉区など)に位置する8つ画廊のほとんどが 2010年以降の設立であることが示すように、都市部から離れた、それまで画廊の存在しなかったと思われる 地域にも画廊が誕生してきたことが、近年のもうひとつの新現象として指摘できる。

  一口に画廊と言っても、設立の経緯、動機や活動の内容は多様であり、数値のような客観的指標で実態を把握することが難しい。今回は数値化できる指標として、「展覧会の開催形態̶企画展中心か、貸し会場中心か」「新潟市及び新潟県出身・または在住の作家の展覧会比率」の2つを設定し、またその商業活動の実態の把握 のために「美術品の販売状況」についての質問を加えた。さらには性格や歴史、活動形態の異なると思われる7つの画廊には直接代表者と面談してヒヤリングをおこなった。

数値化された指標から

〈企画展開催形態〉

  「企画展」「貸し会場」は画廊で開かれる展覧会への画廊の主体性の関与度を示す指標と考えられる。「企画展」割合が 多い画廊は、展覧会に主体的に関与する度合いが高く、逆に「貸し会場」が多い場合はそれが低い(画廊以上に借り手の 関与の度合いが大きい)と想定される。

  回答の結果は「企画展中心」が62%、「企画展・貸し会場半々」が19%、「貸し会場中心」が12%だった。「企画展中心」と
「企画展・貸し会場半々」を合わせると81%となり、新潟市の画廊が、開催される展覧会に非常に高い割合で主体的に関与していることが明らかになった。

*別図参照

〈新潟市及び新潟県出身・または在住の作家の展覧会比率〉

  画廊が開催する展覧会が取り上げる作家の新潟(新潟市・新潟県)の関係の度合いを質問した。

  結果は新潟とつながりのある作家の展示開催比率「100%」が15%、「90%以上100%未満」が27%、「50%以上 90%未満」が23%で、これらを合算すると65%となり、過半の画廊が新潟と縁のある作家たちの紹介を主要な 活動としていることが分かった。見方を変えれば、現在新潟で制作活動を行う美術家たちにとっても、発表の場として、画廊が大きな役割を持つようになりつつあると言える。

  この結果を新潟の画廊の企画展の比率の高さと合わせて考えると、もうひとつの美術家の発表の場として存在する公募形式の美術展が、入選や賞の授与などによって「団体の主体性」においておこなう表現に対する「評価」の活動を、現在の新潟市域では画廊経営者たちがそれぞれの「個人の主体性」においておこなうことが 活性化してきていると言えるだろう。

*別図参照

〈美術品の販売状況〉

  画廊が美術品の販売を行う商店としての性格を持つことは、すでに記したが、その実態の公表は画廊の経営自体にもはね返って影響することが考えられるため、具体的に問うことはためらわれたが、今回は個々の実態は非公表とすることを前提に、「これまで」と「現在」にわけ、それぞれ「順調」「困難」「どちらともいえない」の3つの選択肢から選んでいただく形で回答を求めた。

  結果は「これまで」と「現在」に大きい差はなく(「これまで」より「現在」が若干「困難」が増加し「順調」が減少)、「困難」が「順調」を上回った(「現在」は「困難」が「順調」の倍)。「どちらともいえない」はいずれにおいても54%で、これをどう解釈するかは難しいが、さしあたり「経営の休止に追い込まれない程度の販売はある」という意味に捉えるならば、新潟では画廊の商活動はまだ十分に活性化はしていないと見ていいだろう。つまり商活動の面では比較的困難な状況にあるにもかかわらず、画廊の活動そのものは活発になっているのが、今の新潟市のユニークな状況なのである。

*別図参照

ヒヤリングをおこなった画廊について

今回は「羊画廊」(1978)「認定NPO法人新潟絵屋 」(2000)「ギャラリー蔵織」(2007)「あらきギャラリー」(2008) 「ギャラリー浜つばき」(2013)「BOOKS f3」(2015)「ART&COFFEE SHIRONE PRESSO」(2015)の7つの画廊の責任者から直接ヒヤリングをおこなった(*( )は設立年)。ヒヤリング内容は主にアンケートの質問項目に沿ったものとしたが、直接お聞きすることで、アンケート用紙記入の形では十分に知ることのできない具体性のある回答を得ることができた。

  ヒヤリングを行った画廊は、その活動の内容や形状、また立地や設立時期が異なることに配慮して選定し、現在の新潟市域の画廊活動の多様性を示せるのではないかと期待した。

具体的なヒヤリング結果は別紙に記載したが、ここでは7つの画廊の活動内容と特徴を簡単に紹介する。

  「羊画廊」は今回アンケート調査をした画廊の中では40年と、もっとも活動歴が長い画廊である。展覧会は企画展中心で半数以上が新潟の作家。かつては版画を中心とした展示をおこなっていたが、現在は版画以外のジャンル の美術表現も紹介する展示が多い。注目すべき過去の活動として、1990年代に海外(ヨーロッパやロシア東部)の 美術家を多数紹介したことがある。近年の活動としては国外のアートフェアへの積極的な参加がある。今後は国内のアートフェアへの参加も検討している。「海外にでるようになって、地元の作家ともっと一緒に展覧会を開 きたいという気持ちが強くなった。だが、「やりたい」と言ってくる人が少ないし、会場を埋めるだけの力ややる気のある作家も多くないと感じている」という。

  「認定NPO法人新潟絵屋」は集団で経営する珍しい形態の画廊で、展覧会(企画展中心)開催のほか、自治体が所有する芸術文化施設やギャラリーの運営に関わり、また「新潟島とその周辺 ギャラリー&ミュージアムマップ」の発行など新潟市の画廊の活動を広く紹介する活動を続けている。ほか展覧会開催以外にも活動を広げていこうとしているが(今回の調査もそのひとつ)、一方では経営を支える美術品販売の困難という課題も抱えている。

  「ギャラリー蔵織」は新潟の作家を中心に企画展・貸し会場半々の比率で展示を行っているが、そのほかコンサートの開催、美術教室や歴史夜話、勉強会の開催などもおこなってきた。また毎年春に新潟市内の20箇所 以上が連携して開催する「湊にいがた雛人形・町めぐり」の事務局もつとめるなど、新潟という場所に根ざした多方面の文化活動の一環として、画廊の活動があるように思える。今後は「地域で意識を持っている人たち、気持ちのある人たちと連携して取り組みを行いたい」という。

  「あらきギャラリー」は現在の場所で活動を始めて10年。新潟の作家たちに積極的に声をかけ、企画展での紹介を続けてきた。今回のアンケートで美術品販売が順調と回答した数少ない画廊のひとつである。「個展は 作品を発表するための場であると同時に、売れる場であることが大事で、そのための力添えをするのがギャラリーの役目だと考え」「顧客をつくり、作家ともよく話をし、作家の魅力や作品の素敵さをしっかり伝えて、作家と作品を求める方のパイプ役に積極的に取り組んでいる」と語り、作家と鑑賞者(購入者)の橋渡しをするのが画廊の役割という明確な意識をもって経営を行っている。その作家は「新潟県美術家連盟加盟」の作家が 大半であるため、美術団体が抱える「高齢化」の課題も共有している。「今後は30代~40代の若い作家たちを応援し、育てていきたい」という意志も持っている。

  「ギャラリー浜つばき」は美術には素人の、もと教員のご夫婦が自宅の一角に、地域の人との交流の場として作った画廊である。画廊になったきっかけは、住まいがある越前浜に2000年代から画家やクラフトなど多 ジャンルの美術家が住み着くようになり、オープンアトリエ的性格の催し「浜メグリ」が開催されるようになったのがきっかけだった。展覧会は地域に人に足を運んでもらう契機という気持ちで開催している。地域の 交流空間という性格は、ギャラリーに転用された蔵の一階が喫茶スペースで、2階が展示室という空間の造りにも表現されている。

  「BOOKS f3」は写真集の専門店という全国的にも珍しい書店が、店舗の壁面を使って展覧会を行うという形の画廊である。店舗の形態自体が、経営者の強い意識と意志の表現となっていて、そのひとつの表れに展覧 会の開催がある。2年間の活動で「新潟の人は良い展示をみる機会が少ない現状と、その現状に対する諦めの ような空気がある」と感じ「それが残念だ」と言う。新潟に限らずもっとも先鋭的な(「バリバリの活動をしている」)写真表現を紹介していきたいと考えているが「写真を買う文化」が根付いていない状況が深刻な問題 だと感じている。

  「ART&COFFEE SHIRONE PRESSO」は、東京でともにクリエーターとして活動していた夫妻が、余裕あるスペースを確保できることがひとつの理由となって、それまで画廊のなかった小さい町に開いたカフェ ギャラリーである。自分たちの経験を基盤に紹介する作品の質は吟味しながら、人々との交流をより重視しつつカフェ経営と連動した画廊運営をおこなっている。とくに30~40代の表現を志す人々の「ステップアップしたい気持ち」と「自身でオーガナイズする力や術」を見抜いて、彼らの気持ちと実力に応え、それらを巧みに引き出す展覧会を実現してきた。美術品販売が経営維持に直結せずにすむ、比較的余裕のある状況は「ギャラリー浜つばき」と共通だが、より都市的センスの強い場作りに個性が光る画廊である。

  「あらきギャラリー」「ギャラリー浜つばき」「BOOKS f3」「ART&COFFEE SHIRONE PRESSO」は展覧 会開催のほか喫茶もおこなっている(「ギャラリー蔵織」も今は休止しているが、かつては喫茶をおこなって いた)。美術品販売が全般的には困難な状況の中で、喫茶を行うことは、滞在の気分や交流の促進とともに、経営維持の一助ともなっている面があると考えられる。

  また新潟市の画廊に多く見られる特徴のひとつに、歴史的建造物をリノベーションした展示会場の多いことが挙げられるが、ヒヤリングを行った7つの画廊の中でも「認定NPO法人新潟絵屋」「ギャラリー蔵織」「ギャラリー浜つばき」「BOOKS f3」の展示室はいずれも戦前の木造住宅や土蔵を活用したものである。

記述式の回答とヒヤリングから

  「現在抱えている課題」と「新潟市の美術の現状についての意見」の項目には、美術団体、グループから以上にさまざまな内容の回答が寄せられた。

〈現在抱えている課題〉

  新潟の画廊が抱える課題は、回答を大きく分類するならば

  a「ギャラリー訪れる人の少なさやギャラリー自体への認知度の低さ」

  b「販売の困難」

  c「売ることと伝えることのバランス」

  d「紹介したい作家、発表意欲のある美術家 ―特に若い作家― の少なさ」

の4つに集約されるように思われる。

  このうち「販売の困難」に関しては、販売が順調な「あらきギャラリー」の場合、作家も購買者も50代以上が中心であり、かつての美術の状況の遺産を画廊活動が掘り起こしている面があるとするならば、その遺産と50代以下の世 代の美術への意識の連続のなさ(若い購買層が育っていないこと)を、ほかの多くの画廊が共通して感じ取っている ということではないだろうか。かつての世代にあった作り手と鑑賞者の熱が、その後の世代に引き継がれてこな かったことと、新しい世代に美術品購買につながる新たな熱がなかなか独自に生まれてこないという実情があるの かも知れない。一方で画廊の増加は、美術的なものへの関心がこれまで以上に広がっていることも伝えている。しかしそれが「作品を買う」ことにすぐに結びついていないというのが、現時点の状況だと捉えるべきだろう。

  「売ることと伝えることのバランス」という言葉は、現代の表現が「商品」(求める人のニーズに応えるもの)的な価値ではないものに重心を持つものが多く、とくに「芸術祭」の場などで紹介される機会の増えた「現代アート」にそれが顕著であり、画廊が紹介する表現においても、とくに若い世代にはその傾向が強くなりつつあるため、その「表現」を鑑賞者に純粋に「伝えよう」と画廊が努力するほど、展示物の「 商品」的性格を薄める結果になっていくというジレンマが生じていることを指していると思われる。

  しかし商品価値以上に、表現としての質の高さ、強度が、画廊を経営する人々の意欲を刺激し、高めていることもあるであろうと想像すると、優れた表現を紹介したい意志という文化的活動体としての画廊の主体的・精神的 な基盤それ自体が、経営困難の理由にもなっているという実情が浮かび上がってくる。

  そしてそのような画廊が抱えている課題や置かれている状況、ジレンマを、「ギャラリー訪れる人の少なさや ギャラリー自体への認知度の低さ」が壁となって、なかなか地域の共有されるべき課題として意識されることが 難しくなっているのだとも思われる。

〈新潟市の美術の現状についての意見・要望〉

  さまざまな意見があり、集約は難しいが、新潟市が2009年から3年おきに開催し、今年4回目が開かれる「水と土の 芸術祭」に対しては評価する意見がある一方、完全に否定的な意見もある。

  ただ評価する意見においても「芸術祭で招聘される美術家の「美術」と、画廊で扱う「画家」たちの「美術」が、なかなか 連動して地域を動かす力になりえていない」問題点が指摘され、否定的意見でも「上古町で以前あった「春山登山」や越 前浜の「浜メグリ」のように、テーマ性をもって地域をめぐる企画を新潟市全体として考えるべき」という意見が付さ れていて、外部のディレクターやプロデューサーを迎えて開催する行政主導の「芸術祭」のような新しい美術をめぐる 動きや、「春山登山」(若い表現者たちが、上古町の空き店舗などを会場におこなった展示)や「浜メグリ」といった、団体 展や画廊の個展などの既存の形とは異なった発表の有り様への関心や、なんらか連動への意志が、新潟市域の画廊に は潜在的な形ではあるが存在していることが伺われる。

  「若手~中堅作家の発表活動の活性化が急務」「若手の作家が育つ環境が整備できていない」という意見は、10~30代の 新潟の表現者たちへの期待でもあり、同時に現在の画廊の活動だけでは、彼らへのサポートが十分に行えていないと いう気持ちのあらわれである。画廊の増加は、新潟市の美術の状況における好ましい現象だが、その画廊もさまざまな悩みを感じて活動をしている。

  画廊がつきあたっている課題は、美術行政やさまざまな美術団体、グループが抱えている課題とも連動しているが、そのことの認識がまだ相互に共有されているとは言えない。本調査が、そのような共有を促進する一助となれば幸いである。

(考察執筆/大倉 宏)
(調査実施・とりまとめ・ヒヤリング/上田浩子)

アーツカウンシル

新潟市域 画廊・ギャラリー(アンケート及びヒヤリング回答総数:26)

現在抱えている課題

●作家の版画や絵画制作の技術面をサポートしながら育成にと思いつつ、なかなか理解が得られない。
●常連のお客様が多いので、新規の三十代のお客様を増やしたい。
●売ることと伝えることのバランスをよくしたい。売れるし、良いものを伝えたい。
●同じ作家が多くマンネリ化も否めない。
●非営利の任意団体のため、給与を出せないことによるキュレーターの不在。
●賃貸物件で店舗を運営しているが、経費がかかり持ち出しが多くなっている。
優れた作家展を実施しても、売上げに結びつくことが少ない。ギャラリーに足を運ぶ人が少ない。ギャラリーの存在すら知らない人が多い。
アートに関心を持っている人が少ない。
●30~40代の新たな作品購買層の拡大。
●個展と、入館料をいただく企画展をおりまぜてやるが、入館料では運営が成り立たない。
次世代への継承(一応、母家の隣で息子は自分の仕事̶小盆栽づくり) 。
お客さんを迎え接待に時間がかかる。
なかなか市内外のギャラリー、美術館等を訪ねる時間がない。
●なかなか定期的な開催ができていない。
●店舗を維持するための経済的課題が大きい。
書籍の販売利益は低く、作品の売上げが経済的な柱になる。
そのためにも、もっと作品が売れてほしいと思うが、写真作品を購入する文化が根付いていないと感じる。
裾野を広げていかなければと思い、地道に活動しているが、ときどきめげそうになる。
現在は店舗経営と並行し、カメラマンとしての仕事も行っている。
●課題ではないが、立ち止まらず前進し続けることが大事と考えている。
●売上げの減少にともなう資金面の課題。
●新たな作家を捜すのが大変と感じている。地元で作品づくりを行っている人が展覧会をすることで のびていってくれればという想いがある。ギャラリーのスタンダードとはやや異なるかもしれない。
●経済的には厳しい。広報が届きにくく、告知の方法が難しいと感じている。
●作品の販売のむずかしさ。
多くの人たちがまだ「絵を購入し、身近において楽しむ」という習慣をもたないという壁を、画廊として、どのような働きかけで越えてもらうことができるのか、その方法がなかなか見えない。
現代の住宅が絵を飾ることを想定していない(壁に釘等を打てない、貸家では打つことを禁じているなど)ことも問題 だと感じている。
画廊を日常的に訪れ、知らなかった美術家との出会いを楽しむ習慣がないため、知人の少ない県外の美術家の 個展を見にくる人が少ないことも悩み。
絵への関心、好奇心をどう持ってもらえるかがなかなか分からずにいる。
特に40代以下の人々がなかなか画廊へ足を運んでくれないことも、悩ましいことだと感じている。

新潟市の美術の現状についての意見・要望

●話題になるような大型美術展の開催が少ない。
売れる美術作家が減少してきた。
●市内施設でDMやポスターなどの掲示、配置を積極的に行ってほしい。
また、公共施設の作品展示施設を積極的につくって欲しい。
江南区内では駅の施設や公民館での考え方を変えるだけで素晴らしい場所になる。
●少し盛り上がりを感じない。年齢のせいかもしれませんが・・・
●美術は幅が広いので何とも言えないが、決してレベルが高いとは思えない。
●若いクリエーター、アーティストが気軽に使える会場がもっとあると良い。
●大きな市主催の催事と小さなギャラリーの連携が難しい。
「水土」に参加しているギャラリーもあるが一部にすぎない。
地元の作家に目を向けてほしい。
●若手~中堅作家の発表活動の活性化が急務。
また、それを紹介する同世代のギャラリストがでてきてほしい。
●公の資金で運営する美術展は、もっと市民の声をとりあげた方が良い。
新津美術館の来年の企画が予算削減して行われる。
市の考え方がわからない。意見はたくさんあり、書ききれない。
●若手の作家が育つ環境が整備できていない。
世代交代が進んでいない。
各ギャラリーが若手発掘をしていく意 識が低い。
●行政と市民とのあいだの温度差が激しく、乖離があると思う。
「水土」も全然知られていないし否定的な意見も多い。行政には「コレはココに頼む」というような、井の中のカワズ的なルールが決まっている印象もある。
もっと面白い作家や、団体・組織によらない個人のネットワークや人材を活かし、意見を聞きながら動いてほしい。
クオリティの高さを守ってほしいし、良いと思うものをしっかり提供してほしい。
●市は新しい試みを行い、努力していると思う。若い作家が新潟に定着し、育っていける環境づくりが必要。
●ラフォルジュルネや「水土」など、文化芸術面に力をいれているところだと思っていたのに、財政難を理由に削 減されてしまうようで残念。
かつては小学5年生に、りゅーとぴあのコンサートホールで生の演奏会を体験させる授業があったのに、それもなくなってしまった。
いい取り組みだったのに、もったいない。
文化活動や素地を育 てることの方がBRTより大事ではないか。
●「新潟らしさ」を見つけたい。
写真家には多くいるが、「新潟だからこういう絵を描く」という描き手に出会いた い。
作家がSHORONE PRESSOで展覧会を行うことで次のチャンスにつながるような場になりたいと思う。
●「水と土の芸術祭」は不要。技術的なことをおろそかにした、マスコミ受けのいい、かたちばかりのものがもては やされる風潮は何ももたらさないし、残らない。新潟にとって「水と土とは何か」を問うような作品もほとんどない。検証も批判も出て来ない、失敗しても誰も責任をとらない「アートの原発」ではないか。
新潟は、「新潟に行けばこれがある」という特徴づくりができていない。
上古町で以前あった「春山登山」や越前浜 の「浜メグリ」のように、テーマ性をもって地域をめぐる企画を新潟市全体として考えるべき。
外からくるものを待つ(呼ぶ)ばかりでは解決にならない。
地域での当たり前の日常、生活、暮らしの中から出てくるものでなければ意味がないと考える。
●篠田市政になって、行政の文化的な活動への取り組みが以前より積極的になったことは評価している。「水と土の芸術祭」も、批判的な意見は多いが、3回を実施してきたことで、そこから美術への新たな関心を向ける市民や、美術的な取り組みを行う人々が増えてきたことは実感する。
しかしそれが、そのまま画廊という地域の美術の小スペースに活気をもたらしてこなかったのはなぜだろうとも感じる。
芸術祭で招聘される美術家の「美術」と、画廊で扱う「画家」たちとの「美術」が、なかなか連動して地域を動かす力になりえていない。
全国的な動向の風で動くのではない、地域の現状・実情から考える美術行政を地域で活動する民間の立場からは望んでいる。

新潟市域 美術活動団体(アンケート回答総 数:17)

現在抱えている課題

●会員の高齢化で会員数が減少傾向にある。
●会員の高齢化で会員数が減少傾向にある。
●会員数の減少。
●会員の高齢化と減少化への対応。
●会員の高齢化。
●拠点となるべき場所がない。
財政基盤が不安定、イベントごとに補助金を受けなければならない。
●若手の参加が少ない。
●活動にあたって一般の講座室を使っているため採光が不充分で、作品を自然の状態で描くのが困難です。
ほか、アトリエとしての昨日が不充分なため充実した制作環境とはいえない。
●団体構成員の高齢化対策、団体参加希望者の減少傾向への対処。
●大学・高校などとの連携の難しさ、展覧会会場使用料の高額化。
●会員の高齢化、入会希望者の減少、室内での活動のマンネリ化(題材)。
●会員を増やすための対策。
●高齢者の退会、新会員の入会が困難な状態が続いている。
設立当初は19人からスタートしたが、高齢者の退会 と新会員の入会のバランスがうまくいかず、現在はクラブ員が半減状態にある。
●会員の平均年齢が高くなり、若い会員の参加がないこと。
●高齢者が多く人数が少なくなること。また、若い人(60歳くらい)が入ってこない 。

新潟市の美術の現状についての意見・要望

●公民館活動として広く市民活動を掘り起こしていただきたい。
●既存の団体活動だけで、現状を突破する刺激的な情報発進力がない。
そのためにはジャンルの垣根をとりはらい、映像、インスタレーション作家を参画させなければならない。
●江南区内の展示施設が充分に考えられていない。駅(亀田)の地域交流センターをギャラリースペースとして少し手を加えたり、文化会館内の郷土資料室の常設展示の場所を奥にして、手前をギャラリーにするなどして会館内のにぎわいを誘導するなど、現実的な対応をお願いしたい。
●駐車場の充実した美術館を中央区に(鳥屋野潟公園周辺)。
●市展、県展等、選者が同じ、選出される人も同じ、絵も同じの物が多くみうけられる気がする(個人の意見です) 。出品費が高すぎる!
●新潟市美術館行きのバスが少なく、乗り換えバスに間に合わなくて困ります。

▶︎調査結果pdfの印刷はこちらから。A4サイズ10ページ
2018年3月 美術分野における新潟市内組織基盤の形成と新たな可能性に関する調査研究

等々力弘康ドローイング展

8月16日wed ― 19日sat

11:00〜18:00

等々力弘康の色が眼球に入ると、その色の陰に、裏にある、ひそむ、見えない色が匂いたつ。
蜜に誘われる蝶のように、その色一色の底の色に、吸い寄せられ、一瞬の花芯に目の羽根をたたみ、立ちどまる。(大倉宏)

等々力弘康(とどりき ひろやす)
1943年新潟生まれ。

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2017年の作品を中心に、旧作もさまざまな年代のものを展示しています。
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等々力弘康

等々力弘康

等々力弘康

▶みるものとよいところ 会場のようす

17周年交流会

6月16日fri 19:00―20:00

「蓮池もも展」の新潟絵屋展示室にて

新潟絵屋は2000年6月16日にオープンしました。
17周年の日、ささやかに祝しつつ、みなさまからの声を直接聞く機会とさせていただきます。
お気軽にお集まりください。
新潟絵屋を運営する面々がみなさまをお迎えいたします。

絵屋メンバーイラスト1
絵屋メンバーイラスト2

このほど、ホームページに
新潟絵屋のこれまでとこれから
アンケートのご回答をアップしました。

新潟絵屋並木町
小林春規新潟絵屋
小林春規「打水」2000年

Open eya 

会場の貸し出し利用をお受けいたします
個展・イベント等にご活用ください

openeya

個展の開催をサポートします

画廊での「個展」を「学ぶ」場に

新潟絵屋の空間で個展を行う美術家の方々のご希望に応じて、画廊での個展やグループ展開催のサポートを致します。
初めて個展をされる方、個展経験の少ない方に、画廊という場所の特性をお伝えするとともに、展示作品の選択、販売価格の設定、案内状の作成、会場構成、実際の展示作業などについて、経験ある担当者が全般的にサポートします。

すでに発表経験を積んだ美術家の方にも、ご希望に応じて、サポートをさせていただきます。
グループ展の場合も、同様のサポートが可能です。
サポートは無料です。
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Open eya

[基本会期]

展覧会:毎月2日〜10日(会期9日間 展示は1日)
イベント:毎月11〜15日

[個展・グループ展のご利用]

毎月1日〜10日
◯10日間単位でのご利用とし、
◯1日は展示作業日とさせていただきます。
◯開廊時間は11:00~18:00です。ただし展示最終日は展示は17:00までとし、当日中に撤収作業を行ってください。

[会場使用料]

10,000円+税/日
◯ご利用日前日までにご清算をお願いしております。
◯学生割引 展覧会開催時、学生である方、またはグループのメンバーの1名以上が学生である場合は9,000円+税/日とします。

[詳細]

◯会期中は新潟絵屋のスタッフが常駐し、会場準備(展示作業など)もスタッフがご協力します。
◯展示を希望される場合は作品を事前に見せていただき、担当者がご相談させていただきながら、展示のイメージ等を話し合います。
◯作品販売は、新潟絵屋のスタッフが担当します。販売手数料は美術作品の場合30%、関連する商品の場合20%です。
◯広報については、新潟絵屋の広報紙やホームページでご協力します。案内状DMなどを制作される場合、新潟絵屋のデザイン部門dododoにもご相談いただけます。
◯作品を送付で搬入・搬出する場合、搬入搬出共発表者でご負担いただいております。
◯案内状は毎月発送される絵屋便に同封します(送付数は約500)。
◯展覧会会期中の催しをお考えの場合、会期中は18:00以降、21:00まで延長ご利用も可能です。その場合は、1時間@2,000円(税込)をご負担いただいております。
◯ご利用の相談は常時承ります。
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[イベント等の場合]

毎月11日〜15日の期間
◯ご利用時間は12:00〜18:00を原則とし、18:00まで延長可能
◯1時間@1,500円(税込) 3時間以上からご利用いただけます。(搬入搬出含)
◯18:00〜21:00は1時間2,000円(税込)となります。

[2019年]

◆ 1月 イベント可能11・12・13・14・15日空き 
◆ 2月 展覧会 20〜28日空き
◆ 3月 展覧会 2〜10日予約 イベント可能11・12・13・14・15日空き 
◆ 4月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き 
◆ 5月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き
◆ 6月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き 
◆ 7月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き
◆ 8月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き
◆ 9月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き 
◆10月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き 
◆11月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き
◆12月 展覧会 2〜10日空き イベント可能11・12・13・14・15日空き

担当:井上美雪
025-222-6888
info@niigata-eya.jp

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おかえり展 出品作品募集

おかえり!

展覧会ごとに、日々、さまざまな出会いがあります。
この「おかえり展」は、新潟絵屋の534番目の企画展。

これまでにたくさんの作品が、新潟絵屋を通過していきました。
誰かと出会い、お求めいただき、その誰かの人生の傍らに置かれることとなった作品についての、その後。
新潟絵屋から旅立っていった作品を、再びお迎えし、展示する試みです。

絵はどのような顔ぶれとなるでしょう。

イラスト1

出品要項

<会期>
8/22(火)~30(水)

<作品について>
・新潟絵屋で自身がご購入された絵画とする。水彩、油彩、版画など、技法は問わない。

<搬入搬出>
・出品者が直接搬入搬出することを原則とし、難しい場合は配送も可。
・受け入れ期間は、8月2日〜13日(カルメン・ガルシア展会期中)とする。

<出品料>
・1点3,000円とする。
・お支払いは作品搬入のとき。

<募集数>
・お申し込み先着30点とする。

<応募方法>
・まずは、事前に出品のお申し入れをご連絡ください。電話・ファックス・メールで受付。
・次の必要事項を、出品の際に書き添えてご提出ください。
・出品者のお名前/連絡先/搬入搬出方法/作品の作者名・タイトル/展覧会の開催年/絵についてひとこと

<絵についてのひとこと>
・出会ったときのエピソードや気に入っているところ、普段どんなところに飾っているかなど。
・メールでも、手書きでも。
・出品者名は公開しません。

<展示設営>
・8月20日(日)
・新潟絵屋が責任を持って行なう。希望により、出品者は参加できる。

<そのほか>
・会期中にイベントを開催予定。
・大きな作品を希望される場合は、事前にご相談ください。
イラスト2

2017年春 アンケートを実施

 2017年春、これまでさまざまな立場で新潟絵屋の活動に関わって下さった方々、関心を寄せて下さった方々にご協力いただき、アンケートを実施しました。

新潟絵屋並木町

質問

1 新潟絵屋のイメージ

たとえば、新潟絵屋が誕生したこと、あるいはこれまでの活動によって生まれたこと、変化したと感じること、新潟絵屋を支援したり、関わってこられた理由など。

2 新潟絵屋へのご意見や期待すること

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1 新潟絵屋のイメージ

Nさん 女性

 個展の際は、絵屋の二階に滞在させていただきました。自分自身の作品と一緒に暮らした十日間だったと感じています。絵屋はとても風通しが良い感じがしました。新潟で初めて展示する私と私の作品を、とてもしなやかに受け入れて下さいました。もともとそこに居たかのようなすごく自然な気持ちで暮らすことができました。いろいろなバックグラウンドを持った方々が共同で運営されているNPOというあり方が、「絵屋」という場を形作っている一因なのだろうと思います。
 絵屋での個展後も私自身の心もとなさは相変わらずですが、それでも以前よりほんの少しだけ「進んでいくための軸」に近づけた気がしています。

Nさん 男性

 アート作品の評価というものは難しく、現在たとえ評価が高くないものであったとしても、後に評価が高くなる場合がある。反対に現在評価が高くとも、後に人々に忘れ去られるというものもある。
 新潟絵屋で紹介されてきた作家のなかでも、十年後、百年後に残っていくような作家がいるように思える。そのような作家たちを応援してきた新潟絵屋の活動を応援したいと思っている。アートは人間の本質であり、人間存在の証しであるように思える。これからも新潟絵屋の活動を楽しみにしている。

Aさん 男性

 私が画廊に通うようになったのは、自分が画家になれず、しかし夢の続きを見たい、あるいは自分が世界と関われるのは絵によってしかないというネガティブな考えの時期があったからでした。
 いくつかの画廊に通い、自分の給料で絵を買うようになって、自分が好きだと思う絵が画廊の方や画家にとっても好きな絵であったりする喜びや、良いと言われる絵が多くの人の心の栄養になる事を、身をもって知りました。
 絵屋では特に、長い年月をかけて画家さんを見守る、応援する事の大切さを知りました。良いもの、大切なものが、私自身も育ててくれています。

Kさん 男性

 日常や日々の生活から少し離れた場所
 絵屋や美術を身近なものとして、ふらっと立ち寄れる場
 さまざまな企画の作品があり、思わぬ出会いがある
 足を運ぶたびに新たな出会いがある
 絵屋は街の心のオアシスであり、刺激的な場所である

Kさん 男性

 多くの作家の多様な作品を見る機会を得ることができた。時には作家と直接話をする機会に恵まれ、新たな視点を発見する事もある。作家と作品を身近に感じることができる場所が絵屋だと思います。市内の他の画廊に足を運ぶきっかけとなり、絵屋周辺の施設(旧小澤家住宅、旧齋藤家別邸、砂丘館、他)を回るスタート地点であったり、「たごさく」でラーメンを食べて、本町のお店を見て回り、買物を楽しんだりと、私の中では新潟の文化を楽しむ拠点になっていると思います。

Iさん 女性

 私にとっての「新潟絵屋」は「画廊たべ」の延長で、いつ伺っても「よう来なさった。お茶でもなじらね」と暖かく迎えてくれる場所です。

Sさん 女性

 絵屋が生まれた経緯をよく知っているわけでも理解しているわけでもないので、ほとんど直カンでの意見になりますが、絵屋誕生の種となった根本概念や考えや、そこに集結したご縁や意志などは、とても貴重で、とても大切なもののように感じます。私も含めて、その大事な礎をよく知らない、もしくは忘れてしまった人たちも多いのではないでしょうか。絵屋がどんな考え、流れの中から、どんなふうに生まれたのか、どんな役割を担う存在なのか、なぜ絵屋が、芸術が必要であるのか…………そのあたりのことをまとめた文章を、寄付関連の資料だけではなく、絵屋便にも、毎号もしくは時に掲載したら良いのになあと思っています。(私にとっては個人的ご縁と、直カンによって、絵屋は大切な存在です。)
 展示を毎回観ているわけではないので、ちょっと決めつけになってしまうかも知れませんが、展示内容がいつも似たような波長を出しているようで、同じような、領域の狭いその波長が常に絵屋をつらぬいていて、その領域に入り込めない人たちを拒んでしまっているように感じます。

Wさん 男性

 商業ベースで運営されている他の多くの画廊と異なり、或る主張を持って運営しているように感じられる点が第一にあげられます。そのことで一定の質を保っているように思われ、ひとつの権威が感じられます。

Nさん 男性

 新発田の田部さんの意志を継いで、「良質な絵画を広め、安価で買ってもらい、画家を支援したい」という気持ちに賛同して会員として支援してきた。なかなか、画廊には入りにくいが「新潟絵屋」は気軽に入れることも魅力と感じた。
 また絵を買いたい、飾りたいと思っても「高価」であるため、普通の市民としてなかなか購入することができなかった。その点、そこそこの値段で頒布されることが良いと思った。
 ときどき新潟に出たついでに寄らせていただいている。

Tさん 女性

 過去において美術、アート等はあまり気さくな印象ではなく、比較的、心構えを持って“さぁ 行こう”と見に行っていたように思う。が、絵屋さんは知人の作品を応援しに行ったりするうち、とても身近な存在になった。ひいては美術、アート、全般において気軽な存在になってきた。自分の広告を(「ギャラリー&ミュージアムマップ」に)出すにあたり、“作る”ということに思いをはせるようになった。
 イメージは、やわらかな光、です。

Wさん 女性

 新発田の田部さんの画廊が無くなり、美術館以外では絵を観る等と言う事は殆どなくなりました。画廊と名の付く所は絵を購入する為と言う目的がなければ、入れないような敷居の高さを感じていました。
 でも「新潟絵屋」さんはちょっと違う。今迄、知らなかった作家の方達、若い方の作品…等々、興味深くて、純粋に「観てみたいあぁ〜」と思う。絵屋さんが独自の視点から選ばれた作品が…じゃ、行ってみようか…に変わったと思います。良いなぁ〜と思う絵は、欲しいなぁ〜となります。金額を見て、あきらめる事が多いのですが、それは納得。絵との出会いも一期一会だから、とっても残念で、ずっと心に残っている事もありますが…。絵屋さんを支援する事にいたらない状況だと思いますが、今とても大事な重要な場所だと思っています。
 建物と内容について。小さなスペースですが、伺うとそれを感じない空間にいつも不思議だなぁ〜と感じています。壁の小さな穴もホントニおもしろいですネ。
 絵屋、砂丘館、ギャラリーみつけ、等、更に広がり、更につながっていかれますよう!
 ギャラリー&ミュージアムマップの田代草猫さんの今月の一句…本当にありがとうございます。個人的にはいつも「みるく歯科クリニック」の広告が気になって…。絵も文も……的を得ているなぁ〜。

Tさん 女性

 私にとっては、他のスタッフの方をそれほど知らないこともありますが、井上美雪さんという絵屋を象徴する人物が絵屋そのものとなっています。その独特な雰囲気、お人柄、その時展示されている作品あるいは作家さんとの二者が混ざってひとつの空間ができていると思います。
 アンケートの資料にこれまで520もの企画展を開催とありましたが、井上さんを通して、<絵屋さん<新潟の作家さん<全国の作家さん…<<と広がっていくことに情報源としても心強く感じています。
 移転後の方がよく伺うようになったのですが、当初は大通り沿いの佇まいに違和感を感じていましたが、最近は随分景色に馴染んできました。
 実は、DMの送付に色々好きな点が。チラシの三つ折の仕方とか(タイトルが出るように工夫されてますよね)、束ねるときの帯びの印刷された挨拶文面とか、あと裏紙の活用とか、いいな、と思う点が随所にあります。

Oさん 男性

 長い間、絵屋さんの存在は知っていましたが、私が最初に足を踏み入れたのは、阿部信子さんの作品展だったように思います。勿論作品展によって空気感は違うことと思いますが、私が伺った時々に共通するのは、空間に温もりを感じることです。その作品を包み込む温もりの中で観たいと思うから、足を運ぶのだろうと。我が家へ作品が移った時のイメージが出来る場であるとも感じています。

Tさん 女性

 ここまで11年に渡り6回もの個展を企画くださり、本当にありがとうございます。作り手の側として、発表の場があるということは描き続ける力の大変大きな支えとなります。絵屋さんを通して知る、見てくださる方々のお声、他の作家の方々の存在と生き方、スタッフのみなさんそれぞれの感性での企画と温かい対応や購入の支え、ご尽力には、大きく心動かされ力づけられてきました。
 ご準備も大変ながら月3回という企画数ならではの多ジャンルの作品紹介ともなったと思います。各企画紹介文も一層作者へと惹きつけてくれるものでした。作品、その作者、そしてひとりの人としての作家の生き方まで感じさせてくれる企画の数々に触れさせていただきました。
 また、建物の移築保存を含めてみなさんの古き良きものを愛でる心と結束、行動力。日本の培ってきた歴史や当時の人々の痕跡に、急ぎすぎる現代の私たちの心を動かし震えさせてくれるものがまだまだあるのだということを改めて教えてくださった意義も大変に大きかったです。
それは関連する砂丘館での展示にも。その感性と見識の深さに感服いたします。
 現代と過去の人々、そして様々な美しさへの橋渡しをしてくださってきたことへの敬意と感謝でいっぱいです。今後の絵屋さんの存続を願い、微力ながらできる形でのご協力をさせていただきたいと思っています。

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2 新潟絵屋へのご意見や期待すること

Nさん 女性

 「絵屋」が、NPOという新しいギャラリーの姿を、見る人や作る人や作品とともに緩やかに変化しながら探っていく過程は、それ自体が一つの作品のようだと感じています。その「制作過程」を進行形で見せて頂き、ほんのわずかばかりですが、作品を通して関わらせて頂いていることを、とても光栄で嬉しいことだと感じています。
 絵屋の運営委員の皆さんや、絵屋で出会った皆さんの一言一言が、その後の制作の中でふとよみがえって気づきを与えてくれることが何度となくあり、その度に貴重な経験だったのだと実感しています。

Nさん 男性

 現代アート作品を絵屋でもっと沢山観たい。工芸も含めて。

Aさん 男性

 水土、大地の芸術祭よりも、もっと身近な感じで、やさしい感じで町の人達が芸術、絵画などにふれあえる場が、私の住んでいる所にあったらと思います。色々な町にあったらと思います。シュミの人たちとつながって。
 病院や公共の場、普通のお店にも絵がたくさんあったらいいなと思ったりします。(ホスピタル・アート・ディレクターというのをテレビで見ました。)先進的な絵屋の絵たちが世に出て、他の画廊も続いてほしいですね。

Kさん 男性

 人々のニーズは多種多様で運営は大変でしょうが、絵屋のこれまでの理想や理念を貫いてほしいと思っています。そこに絵屋の個性と価値があると思っています。

Kさん 男性

 購入した作品を家で飾って楽しんでいますが、まとめて飾ることができないので、絵屋のスペースで飾ってみたい。

Iさん 女性

 10年以上前に複数作家で構成された企画展に参加させていただき、同じ作り手である作家さん達と交流もでき、とても有意義かつ楽しかったことを思い出します。こういった企画(夏に「ガラス展」とか)は発表する側にも見る側にも新鮮味があると思います。
 また一度絵屋の2Fを拝見させていただいたことがあって、確かたくさんの本や画集があり、ワクワクしたのを憶えているのですが、「Book & Caféスペース」として少し開放していただければ嬉しいです。(コーヒー代ちゃんといただいて…)

Sさん 女性

 大勢の人が来れば良いということでは絶対なく、高次元の質の中で、領域の幅が広がれば絵屋がもっと生きると。まことに個人的感想ですが、「おおむかし、こういう世界にとらわれてたなあ…こんな世界にハマりこんでいた時代があったなあ……」と、過去にやっとのことふり切り通過してきた暗いトンネルを見るような、そんな感じを抱かせる作品が多い。(もちろん、「これはスゴイ!!」と、ひとつ上の次元に頭が持って行かれるような、頭上の眼が開くような、そんな輝かしい世界を見せてくれた作品もありましたが、)
 人間は暗い、だからこそ、そこを突き抜けた光に浴したい、手に入れたい……
 この意見は(鑑賞者、コレクター)複数名の意見でもあります。その中には絵屋に時々通っている人もいます。本当に必要としている人同士が引き寄せられ結びあえるような、キリキリと引きしまった気の漂う場としてずっと続いてほしいです。

Wさん 男性

 これまでと同じく、解らないとされている(?)現代アートを一般に啓蒙しつつ、解る作品の展示もふやしていただきたいです。

Nさん 男性

 われわれは素人なので、絵については専門家が見た評価を受取る以外ない。どちらかと言うと、私たちは直感やその印象で絵を選択評価するからである。その点、作品は専門家が「評価」して展示されているが少し落差を感じている。だんだん、乖離している。率直に言って、難しい、分かりにくい作品が多い。
 具体的には、大倉宏さんの好みがあり難しい作品ばかりが展示されているように感じる。販売が伸びていないのは、そのせいであると思う。かといって、我々素人の好みに応じた作品を選ぶとなると、大倉さんの素晴らしい批評家としての眼が許さない事になるのではないか、と思う。
 もう少し、他の運営委員から作品を推薦していただき、幅広い作品が飾られることを望みたい。そうすれば、販売が伸び、訪問者も増えていくのではないだろうか。絵屋としての多様性を失ってきているように思えます。
 希望としては、絵画を処分したい人と買い手をつなげる「絵画オークション」をしていただきたい。できれば、絵画だけでなく「日本画(軸物)」「美術的道具類」などのオークションがあれば参加してみたい。

Tさん 女性

 絵屋ファンが集って語らう機会はいいですね。
 酒会とか―。また行きたいです。
 他の何かでもいいし、それこそ、気軽にかまわず参加する機会がふえるといいと思います。

Tさん 女性

 物販スペース(?)が奥まっていて少し入りづらさは感じます。
 18時までというのはありがたいです。もうチョイ、19時とかもいいなと思いますが、もちろん色々諸事情がありますからね。

Oさん 男性

 作品を家に受け入れるとはどういうことなのだろう?と考えられる人が、絵屋さんの活動を通じて増えることを期待します。実際に増えていることと思いますし、私もその一人ですが、更に増える事を望みます。

Tさん 女性

 大きな美術館にはできない、誰もが気軽に無料で立ち寄れる場の存在は貴重です。運営から離れ理想論かもしれませんが、できることなら町中にこそあって欲しい。他の生活に直接関わる店舗と同じように存在して欲しい。特に子どもたちにこそたくさんの様々な表現に触れ、先入観なく親しみ楽しんで、もって生まれた心の豊かさを失うことなくいて欲しいと思います。

k4090428

*このページは、今後も随時更新していきます。
*お寄せいただいたご回答をほぼ原文のまま掲載させていただきました。

さらに、長文の回答もご紹介します。

藤嶋俊會さん 会員

 私の新潟との関わりから話を始めると、知人の紹介で新潟日報の美術展評を始めたのは1986年の11月からであった。最初の作家は原裕治さんの彫刻だった。その頃は公募展が主だったが、グループ展、個展、何であろうと新潟に関わりのある美術家を取り上げようと思った。新潟日報の原稿用紙に原稿を書いて東京支社に郵便で送っていた。今では写真も添付してメールで送れるようになり、隔世の感を強くする。2007年1月21日六本木に国立新美術館ができてからは、上野と六本木の両方を見るのはきついので公募展は見るだけにした。後日公募展評を続けて欲しいとう声を何人かの作家から聞いた。以来現在は「ニイガタレビュー」(2014年3月29日から開始)への投稿に主として関わっている。
 私自身は会津若松市に生まれ、母方の祖父は第四銀行に勤めていた銀行マンであり、ルーツは新潟にあるようであった。おかげで新潟との縁が出来、多くの作家を知ることができ、貴重な財産にもなった。また上越市美術展の審査などで新潟県に出掛ける機会もあり、その度に新潟市に立ち寄って市内を歩き回ることもあった。
 よく言われるように新潟は美術に熱心なところであると感じており、新潟の美術情報には敏感になっていた。そうしたところに新潟絵屋の情報も入り、大倉宏さんの名前はすでに知っていたので直ちに入会をしたのだと思う。現在は地元神奈川の美術展評を毎月担当しており、新潟と神奈川という対照的ともいえる地方の美術状況に関心を強めている。

 さて本題だが、外側から眺めている身勝手な見方ではあるが、新潟絵屋の存在は大きな役割を果たしていると思う。確かに新潟には県立、市立の美術館がともに2館ずつあり、財団立や私立の美術館も結構ある。問題はそこで開かれる展覧会も重要だが、現存して活動している作家が集まる場のことである。そこへ行けば誰か見知っている人がいて雑談してひとときを過ごすことができる場のことである。美術館もそういう場ではあるはずなのだが、しばしば敷居が高くなりがちである。絵屋と砂丘館は敷居を外して場作りに貢献しており、その事実自体が重要であると思う。
 美術館の事業の中で必ず取り上げられるのが郷土作家に対するフォローである。グループ展から始まって個展を開いたり、作品を収蔵したり、地方の美術館ならどこでも実施している事業である。若い時は地元の美術館など無視して都会に出て来たが、突然美術館から電話があり作品を出してくれと云う連絡をもらったというような話も聞く。美術館がゴールというわけではないが、絵屋と砂丘館は美術館ではできない裾野作りに役立っており、裾野がなければ峰も頂上もない。本来は美術館がやるべきことだがなかなかできないことを代わってやっている身軽さを発揮している。
 経営的なことについては意見を述べる資格はないと思うが、お金の動きは時代の流行や趣味の傾向に大きな影響を受けるのだと思う。(2017年4月24日)
2000年6月新聞記事絵屋
2000年の紹介記事より
P1110412
並木町時代のアルバムより
f1040720
2004年7月 児玉晃展