斎藤應志展5

1/14[土]― 29[日]

niigata eya exhibition 643

 縁あって、應志さんが暮らした住まいに居候させてもらっている私にとって、各部屋の壁にぐるりと並べられた絵は、あまりに家と一体化していて、気にならない存在だった。その魅力に気づかされたのは、掛けられた絵のほとんどが胎内市美術館へ旅立ったときだ。どの絵からも微香のように発せられる、やわらかな品と生き生きした空気。ほのかに立ちのぼるそれらの創り出す空間に強く惹かれていて、失ってから今に続く言いようのない喪失感が、私にとっての應志さんの絵なのだと思う。今回は、應志さんの代表作となった「新潟百景」の板絵に加えて、この度発見された少し大判の板絵(静物画)を紹介する。(企画者:岡部安曇

As I have been fortunate enough to live in the house where Mr. Oushi Saito lived,the paintings lining the walls of each room were such an integral part of the house that I did not pay attention to them. It was only when most of the paintings were sent to and had been selected as a permanent collection at the Tainai City Museum of Art that I became aware of their charm; how different the house was with and without the paintings…although I understand how lucky these paintings are. The soft elegance and lively air that emanates from each painting was like a faint fragrance. I am strongly attracted to the space in the house created by the faintly elevating atmosphere, and I think that the unspeakable sense of loss, the now barewalls in my house where the paintings used to hang, that continues to this day is what Oushi-san’s paintings have meant to me.
In this exhibition, in addition to the”Niigata Hyakkei” (One Hundred Views of Niigata), which has become one of Oushi-san’s most famous works, a slightly larger-sized oil painting on wood (still life painting), that has recently been discovered, will be exhibited.(Exhibition Planner:Azumi OKABE
Oushi Saito’s exhibition at Niigata Eya
From 14th to 29th, January, 2023.


PHOTO:「黄ばら」制作年不詳 油彩/板 33.2×23.8cm


斎藤應志(さいとう おうし)
1903年中条町(現胎内市)生まれ。24年新潟師範学校卒業。戦前の民間主催の洋画公募展「新潟県展」(旧県展)の企画・運営に参画し、自らも同展に出品した。旧県展第1回で3点の作品が入選し、「選外特選」の「船」は市長賞を受賞。第4回で特選。戦後は中学校美術教師をしながら、新潟の風景や静物画を描き、数多く個展で発表した。81年没。2019年新潟絵屋で弟との二人展「斎藤應志・鉄臣展」を、その後個展を2020・21年に開催。2021年には胎内市美術館にて「斎藤應志・鐡臣二人展」が開催された。関連する書籍に『斎藤應志・鐡臣二人展圖録』(胎内市美術館)、『まちの日々180 vol.9 特集 新潟島』、『別冊 斎藤應志さんと新潟』(まちの日々編集室、2023年1月発行)がある。

Instagram @oushi_saito


PHOTO:無題 制作年不詳 油彩/板 20.4×26.7cm


PHOTO:「赤絵の皿」制作年不詳 油彩/板 24.2×32.9cm


PHOTO:「東映ホテルのあたり」1963年 油彩/板 15.8×22.6cm


PHOTO:「河口の船」1959年 油彩/板 15.1×22.8cm


PHOTO:「魚」制作年不詳 油彩/板 23×32.8cm


2022年10月より、岡部安曇さんが新たに新潟絵屋の企画委員に加わりました。


▶ 斎藤應志展4
▶ まちの日々180 vol.9

関連書籍

まちの日々別冊『斎藤應志さんと新潟』

2022年に砂丘館で開催された「新潟の肖像 1955-70 斎藤應志展」をもとにした作品集。昭和30~40年代に描かれた新潟の風景画を11カテゴリーに分けた展示から、約150枚を解説文とともに紹介しています。

A5版・フルカラー・100頁
企画制作発行:まちの日々編集室
税込 990円
カートに入れる

展覧会会場にてご覧いただけるほか、通販サイトeya shop にてお求めいただけます。


▶ まちの日々180 vol.9 特集 新潟島

▶ 斎藤應志展5
▶ 斎藤應志展4
▶ 斎藤應志展3
▶ 斎藤應志展2
▶ 斎藤応志・鉄臣展

安田 洋 展

NEWS 
2023.1.7[土]―29[日]
みつけ市民ギャラリー 
ギャラリーみつけ 
展示室1・2

10:00―22:00 
入場受付21:30迄/最終日16:00終了
休館日:1/11、16、23
入場無料
見附市昭和町2-4-1
tel. 0258-84-7755
www.gallery-mitsuke.com

主催 みつけ市民ギャラリー・新潟絵屋

安田洋さんの描く弥彦山や田園の風景見ると、新鮮で、親しいような、ふしぎな感じがする。就職を決めるときたまたま公募があったという偶然で燕市に暮らし始めた人の目に映る光景の初見感と、そこに10年の日々を過ごしてきた日常感が、きっと同じくらいの濃度の生き生きとした色となって絵筆でまじりあい、広がっているからだろう。(大倉宏/新潟絵屋)

関連イベント
「日本画の手引き」

1/15[日] 13:30-15:00
お話:安田洋氏/会場:ぶらっとルーム/参加無料(定員10名/満席となりました)自然素材の粒子で絵を描く日本画。作者による画材のお話と実演です。
要予約・ギャラリーみつけにお申し込みください。

安田洋(やすだ ひろし)
1974年東京都生まれ。2001~03年佐藤国際文化育英財団奨学生。03年武蔵野美術大学大学院日本画コース修了。近年の個展は06年ギャラリーゴトウ(銀座)、 08・10・12・13・15・17年銀座煉瓦画廊、18年二代目アートサロン環など。2000年臥龍桜日本画大賞展入選(同01・05年)、01年東海テレビ墨画展奨励賞受賞。2010年より新潟県燕市に移住。2023年3月、新潟市こども創造センターにてワークショップを開催予定。
ブログ furinsha.blog78.fc2.com
作家在廊日
1/7、8、9、15、29
10:00-14:00(予定)


「日の出」2022年 

安田洋
「夕焼け」2022年


▶ 安田 洋 展 2021年
▶ 安田 洋 展 2019年


SHOP 12月〜1月

松本健宏 
「干支人形」「手ぬぐい」

松本健宏さんは京都の染色・造形作家です。毎年ご好評いただいている干支もの、12/15発売です。

ろうけつ染め手ぬぐい「卯」
税込 2,200


干支人形「月兎」
税込 8,800


青松ワークスの木製オーナメント

毎年この季節には、青松ワークス(社会福祉法人更生慈仁会/新潟市西区)の木製オーナメントをお取り扱いしています。金具の部品がなく、木と色とりどりの撚りひもでできています。
12種類 各種税込 440


井田英夫 A2カレンダー2023

左:無題(愛猫ローレライ)制作年不詳
油彩/キャンバス 41.1× 41.1cm 井田英夫遺族蔵右:「白い花 半額」 2017年
油彩/キャンバス 22.0×27.4cm 個人蔵
旧新津市出身の画家、井田英夫(1975-2020)さんの絵で2023年のカレンダーを作りました。半年毎のリバーシブルです。自身の愛猫「ローレライ」を描いた作品は、これまで展覧会に出品したことがないもの。今回特別に使わせていただきました。美術作品の印刷再現に定評がある株式会社博進堂さんの技術により、とても美しい仕上がりになっています。A2のポスターサイズ、壁に絵を飾るようにお使いいただけます。
A2サイズ(59.4×42.0cm)両面印刷/企画デザイン:dododo
税込 1,650円 カートに入れる


『句集「猫」』 田代草猫 著

第25回日本自費出版文化賞入選
著者の俳人・田代草猫さんからご希望をいただき、井田英夫さんの作品を表紙と挿絵に使わせていただいた一冊。今年、NPO法人日本自費出版ネットワークが顕彰する「日本自費出版文化賞」の詩歌部門に入選しました。
著者:田代草猫/絵:井田英夫/文庫サイズ102頁
装丁デザイン:dododo/2017年発行
税込 1,100円 カートに入れる


万年カレンダー 日暦

新潟のブナ材スタンドに、月と日のカードをのせて使う日めくりカレンダー「日暦」。めくるごとに表情が変化する書と篆刻が、一日を新鮮に彩ります。新しい一年を迎える準備やギフトにもおすすめです。
書・篆刻:華雪/設置時サイズ:14.8×10.0×15.3cm
日カード(書31日)+月カード(篆刻12ヶ月)
新潟産ブナ材台座+アクリル背板/BOX入り
企画・制作・デザイン:dododo/発売:株式会社博進堂
税込 3,960円 カートに入れる


店舗でのお取り置きも承ります!
info@niigata-eya.jp 
お名前、ご連絡先、ご希望のアイテム名をメールにてお知らせくださいませ。

カテゴリー: SHOP

ギャラリー&ミュージアムマップ 2022.12/20~2023.01/25

展覧会を見に行こう!
2008年創刊、毎月無料配布の展覧会情報紙です。

新潟島とその周辺のギャラリー&ミュージアムマップ
Gallery & Museum Schedule 2022.12-2023.01

2022年12月20日(火)- 2023年1月25日(水)

ギャラリー&ミュージアムマップ 2022年12月-2023年1月号

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ギャラリー&ミュージアムマップ 2022年12月-2023年1月号

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北区 楓画廊てんゆう花、nico、ビュー福島潟、ARTギャラリーHAFU
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江南区 小さな美術館季、エムスタジオ、北方文化博物館
秋葉区 やまぼうし三方舎新潟市新津美術館
西区 雪梁舎美術館ギャラリー潟道、こんぺいとう
西蒲区 浜つばきギャラリー野衣、いわむろや

新発田市 清水園草舟(菅谷)  
村上市 Toi陶房(瀬波温泉)
柏崎市 游文舎gallery tanne(谷根)
長岡市 たびのそら屋県立近代美術館、長岡造形大
見附市 ギャラリーみつけ
燕市 燕市産業史料館、ツバメコーヒー  
三条市 D+5 ART、三条ものづくり学校
栃尾市 栃尾美術館
弥彦村 弥彦の丘美術館

佐々木卓也展

12/15[木]―26[月]

niigata eya exhibition 642

作家在廊日:12/19・20

 佐々木卓也さんは幼い頃から絵や粘土細工を好み、主に女性や動物をモチーフに制作をしています。11月に那須のアトリエをお訪ねして、膨大な作品のほんの一部を見せていただいたのですが、このたびは動物の方をご紹介することにしました。大の動物好きと日頃の人間観察が加わって、どこかにいそうな「誰か」を思わせる、陶や粘土や絵の動物たち。この現実味は味わい深く、「ぼくからみると」の目が魅力でした。
 その日は、一日中陶土で集合体うさぎなど複数の作品を同時に制作してた卓也さんでしたが、最後にわたしと犬(は、1枚の写真から)の似顔絵を描いてくれました。そちらも動物の群衆に交え、展示します。どうぞおたのしみに。(企画者:井上美雪)

佐々木卓也(ささき たくや)
1975年生まれ。96年INAXギャラリー2(銀座)にて初個展で今回が58回目の個展。2006年「ライフ展」(水戸芸術館)、10年「イノセンス展」(栃木県立美術館)、12年「モナリザを描く」(金沢21世紀美術館)、「79億の他人-この星に住む、すべての『わたし』へ」(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA)などさまざまな企画展に出品する。刊行物に、10代後半に制作した動物の親子の作品をまとめた写真絵本『おかあさん』(文・岸田今日子、写真・堀口真澄/小学館)がある。takuya.page.ne.jp/profile.htm

*新潟では、2020年2月に砂丘館で映像作品「フッテージを見る 佐々木卓也さんの指先から生まれるカタチ」(大川景子)公開の折に作品を展示。



PHOTO:「クリスマス」 2021年 アクリル/キャンバス 45.6×53.2cm


PHOTO:「レッサーパンダ」 2022年 クーピー・水彩色鉛筆/紙 18×14cm


PHOTO:「たぬき」 2022年 クーピー・水彩色鉛筆/紙 18×14cm


PHOTO:「マウンテンプレーリードッグ」 石粉粘土 W5.6×D5.7×H5.5cm


佐々木卓也の平べったい動物

展示室での「佐々木卓也展」と連動して、愛らしいどうぶつビスケットみたいな小物を約30点展示即売します。佐々木卓也さんならではの迫力と色彩は小さくなっても健在です。

石粉粘土に手彩色
税込 1,650 円~
陶製
税込 2,200 円~


これまで

▶ 2020年 「大川景子 フッテージを見る 佐々木卓也さんの指先から生まれるカタチ」(映像展/会場:砂丘館)

水野朝展

11/30[水]―12/13[火]

niigata eya exhibition 641

アクリル絵の具を使う時は
パジャマにかぎる

水野朝の最新詩集『空間』の詩の一節。

 この詩集の詩には、いわゆる詩的表現(隠喩とか暗喩とか)はまるでないが、なぜだろう、はっとさせられる率直なコトバが、春先のたけのこのようにニョキニョキつき出ている。その〈とがり〉に刺される感触が、なぜか心地いい。詩集に挿入されている色鉛筆の絵の色、線が感じさせる心地と同じだ。
 長年親しくしている名古屋画廊にご紹介いただいた画家・詩人の、新潟絵屋での初個展。(企画者:大倉宏)

水野 朝(みずの あさ)
1945年名古屋市生まれ。59年中村正義に師事。個展は、 68~73年日本画廊(東京)、81年マエダ画廊(名古屋)、82年「水野朝-素朴で原始的なフォーブの華」羽黒洞(東京)、96年「水野朝-ヒマラヤを画く-」ギャラリーHAM(名古屋)、05年「水野朝-描き続けるということ-」羽黒洞、17・21年名古屋画廊。75~79年東京展(東京都美術館)、17年「没後40年記念中村正義をめぐる画家たち」(名古屋市美術館)出品。詩集に『露を踏んでいく足元』(97年/花神社)、『空間』(21年/広瀬企画)など、自選作品集に『これがわたくし・朝』(13年)がある。
※詩集『空間』をお取り扱いいたします。


PHOTO: 1970年 油彩/キャンバス 53×45.5cm


PHOTO: 「2つの顔」1973年 岩絵の具/麻紙ボード 33.3×24.2cm


PHOTO:「仏様」1973年 油彩/キャンバス 53×45.5cm


PHOTO:「くり」1970年 岩絵の具/和紙パネル 38×45.5cm