スーパーマーケット2021

 今年10/14~17にストックホルムで開かれたスーパーマーケットアートフェア。新潟の3人の画家の絵を鞄に詰め込んで出発しましたが、離陸前にコロナ時代の国境の壁にはばまれました。しかし主催者の仲介で同地の画廊studio44(絵屋と同じように複数のメンバーで共同運営されるギャラリー)のメンバーMasoud Shahsavariさんがすぐさま協力を申し出てくださり、栗田宏、蓮池もも、しんぞう、3人の出品作を、高性能プリンターで実物大※にプリントアウトし新潟絵屋のブースに美しく展示してくれました。
 会場は水辺に立つ素敵な建物で、脇の窓からは対岸の美しい街並みも見えていました。直接の反応を体験できなかったのは残念ですが、来年5月に開かれる次回にも早くも参加をとのメッセージが届きました。行けるかどうかはまだ分かりませんが、地球の反対側の北の国とふしぎな縁が生まれました。(2021/11/5 大倉宏) 
※144cmの作品は縮小

スーパーマーケット2021


残念ながら、スウェーデンの「スーパーマーケット」会場に行くことができませんでした…

経緯について

絵屋便10月号でもお知らせしましたように、新潟絵屋は2021年10月14日から17日までストックホルムのStadsgårdsterminalenという施設で開催される「 Supermarket-Stockholm Independent Art Fair(スーパーマーケット)」に参加する予定で準備を進めてきました。
スーパーマーケットは各国の美術家が自主運営する画廊が参加するアートフェアです。

15回目となる今回は、当初昨年4月に開催され、そこへ新潟絵屋も参加する予定でした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で延期されました。今年5月末に、改めて秋に開催予定と知らされ、参加の意向の打診連絡を受けました。新型コロナウイルスの感染状況に左右されるという不確定要因はあるものの、渡航可能なら、参加の意思はあることを伝えました。その後、入国制限の緩和を知り、本格的に準備を始めました。2×5×2mほどのブース(小展示コーナー)に新潟絵屋が紹介してきた3人の美術家の絵を展示する計画です。

暗雲がたれこめたのは9月なかば、同月20日から10月31日までスウェーデンが日本人の入国を禁止することになったと発表されたことでした。渡航準備をほぼ終えたところでのニュースでした。8月の日本の感染拡大を見てEUが示した方針を受けてのスウェーデンの対応だったと考えられます。
それでも渡航の可能性はまだ残されているのかどうか、判断の材料を得るために、東京のスウェーデン大使館、在スウェーデン日本国大使館に問い合わせをしたところ、スェーデン警察等のサイトで確認するようにという返信をもらました。
スウェーデン警察のサイトでは、事前の問い合わせは一切受け付けないこと、またいくつかある入国制限の例外規定のなかに

<individuals working in international organizations or who are invited by such organizations and whose presence is needed for the operation of the organization(国際機関で働く個人、またはそのような組織から招待され、組織の運営にその存在が必要な個人)>
<individuals entering Sweden for studies( 研究するためにスウェーデンに入る個人) >
<highly skilled professionals, if the work can not be postponed or be done remotely. (仕事を延期したり、遠隔地で行うことができない場合、高度なスキルを持つ専門家)>

が記されていました。

今回は、 iaspis(Swdish Artists Grants Committee / スウェーデン芸術家助成委員会)という政府系の団体と、スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団からの助成を得ていました。iaspisの助成金はスウェーデンの美術家の調査に対して与えられたもので、ストックホルム滞在中に同地在住の6人の美術家や美術館を訪問する計画をたて、先方との約束もとりつけていました。
iaspisの担当者に連絡をするとすぐに「正式の推薦状を送る」と連絡があり、署名入りの「推薦状」が送られてきました。またスーパーマーケットの主催者も署名入りの「招待状」を送ってきてくれました。
この2つの書類に詳細な説明を加えて「疎明証明書」を作成し、自分たちの入国は上記の例外規定に該当すると判断し、入国時の審査を仰ぐしかないと考えて渡航を決断しました。

10月5日に成田空港に着き、空港内でPCR検査を受けて陰性証明書を発行してもらい搭乗手続きをしようとしたところで、待ったがかかりました。
チェックイン担当者から「スウェーデンは現在入国が厳しくなっている、ヴィザなしでの入国は難しい、入国時に提示する書類を見せてほしい」と言われて「疎明証明書」を渡したところ、コピーをとらせてもらっていいかと言われました。了承すると、それをすぐスウェーデンの支社に送って問い合わせをしてもらい確認すると申し渡されました。しばらくたって、この書類では入国は認められないので搭乗することはできないと言われました。
事前の問い合わせは一切受け付けないと書いていたスウェーデン警察が受け付けた(らしい)ことにおどろきました。
iaspisの担当者とスーパーマーケット主催者にもすぐ連絡をしましたが、これ以上の助力はできないという返事をもらいました。やむなくさまざまなキャンセル手続きを済ませて、新潟に戻りました。
スーパーマーケット主催者から、展示予定だった絵の画像データを送ってもらえれば、プリントアウトして展示するという連絡がありました。写真による展示は本意ではありませんでしたが、この状況下ではありがたい申し出です。スタジオ44というストックホルムのギャラリーが協力してくれるとのこと。さっそく写真を送りギャラリーの担当者と連絡を始めました。

以上、ご心配してくださっている方々もあると思い、とりいそぎの現状報告を記しました。その後についてはまた追って報告したいと思います。
(2021/10/9 大倉宏)

ホームページ 
supermarketartfair.com


絵屋便2021年10月号より

2020年4月に開催が予定されていたストックホルム(スウェーデン)のアートフェア「スーパーマーケット」は各国の芸術家が自主運営するギャラリーが集う催し。同じ自主運営の画廊として新潟絵屋も誘われて参加予定でしたが、新型コロナウイルスの感染爆発で延期を重ね、ようやく今年の10月に開催することになったと連絡がありました。まだ感染拡大が続く日本から、やや落ち着きを見せだしたスウェーデンに新潟の3人の画家(栗田宏蓮池ももしんぞう)を紹介しに赴く予定です。現地ではアーティストのアトリエや現代美術館なども訪ねて交流してきます。
(2021/9/4 大倉宏)


SUPER MARKET 2020
絵屋便2020年5月号より

スウェーデンのアートフェア「スーパーマーケット」は初秋に延期になりました。収まらない新型コロナウィルスの猛威を見ると、その開催もまだ不透明ですが、準備は進めます。
参加を誘われて学んだ言葉に「アーティスト・ラン・ギャラリー(artist run gallery)」があります。「美術家による自主運営の画廊」という意味です。これに対応するのが「コマーシャルギャラリー(commercial gallery)」=商業画廊です。ストックホルムでは毎年後者が集う「マーケットアートフェア」が開かれます。「スーパーマーケット」はこれに対抗または補完する性格の催しとして、2007年から同じ時期に開催されるようになりました。

super market
*画像はスーパーマーケットのフェイスブックに紹介された出品予定の作品写真。


絵屋便2020年4月号より

 コロナウィルスがヨーロッパにも広がる中、ストックホルムでは「封じ込め」がうまくいっており、準備を進めていると主催者から連絡がありました。新潟市での感染者がでたとのニュースもあり、参加すべきかどうか迷っています。美術家の自主運営のギャラリーが集う催しは、パフォーマンスや参加者による会議などもあり刺激的な内容なのですが。事態が収束に向かい、無事に参加できた場合は報告したいと思います。
(2020/3/9 大倉宏)


絵屋便2020年3月号より

スーパーマーケット」(4/23[木]-26[日])はスウェーデンのストックホルムで2007年から毎年開催されているユニークな国際的アートフェア。同じ時期に、ストックホルムでは「マーケット」という「商業画廊」系のアートフェアも開催されます。「スーパー」の方はアーティストランギャラリーやアーティストイニシアティブと呼ばれる美術家たちが自主運営するギャラリーや空間が集うアートフェアです。2年前ディレクターの一人アンドレアス・リブンさんが、母であるリサ・ラーソンさんの展覧会が新津美術館で開かれた機会に、新潟絵屋や砂丘館を訪れ、その後絵屋に参加を要請してきました。新潟絵屋は美術家が運営する画廊ではないのですが「自主運営」である点が「スーパー」的と解釈されたようです。スウェーデンの財団から助成も得られることになって資金の目処もたち、行けることになりました。初の海外展展示です。
今回、小さいブースに<栗田宏><しんぞう><蓮池もも>の3作家を紹介し、ストックホルムや他の地域の美術家、美術関係者との交流をしてきます。(大倉宏)


2020年2月19日 新潟日報朝刊より
新潟日報
(2020年2月「斎藤応志展2」の新潟絵屋にて取材していただきました)

まちの日々180

特集 新潟絵屋

2021/03/vol.8

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vol.5 (2019/1)

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A5変形 税込880

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絵の具であそぼう! 講師:しんぞう

ワークショップ
水と土の文化創造都市 こどもプロジェクト2020
絵の具であそぼう!

2/20[土]14:00-15:30 講師:しんぞう

  • 会場:こども創造センター・光と音のホール
    新潟市中央区清五郎375-2
  • 内容:デカルコマニーなど
  • 対象:4歳~小学3年生(小学2年生以下は保護者同伴)
  • 参加料:500円
  • 定員:10名(要申込・応募多数の場合抽選)
  • 申込方法:以下のどちらかの方法でお申し込みください
    〈WEB〉新潟市かんたん申込み (新潟市HP内で検索)
    〈TEL〉025-226-2624(新潟市文化創造推進課)
  • 申込期間:1/18[月]8:30~2/5[金]17:30(抽選結果は郵送)
  • 主催:新潟市・こども創造センター
  • 協力:新潟絵屋
  • お問い合わせ:025-226-2624(新潟市文化創造推進課)
    ※8:30~17:30/土・日・祝日を除く

しんぞう
1974年横浜市生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。個展は、新宿眼科画廊(東京)、DAMギャラリー(韓国)、福住画廊(大阪)、ギャラリーsfera(京都)、2012年砂丘館 「あなたの心の裏の河」(新潟市)、13~16年新潟絵屋など。そのほか09年 「大地の芸術祭」に出品。芸術道場GP(グランプリ)銀賞、第29回損保ジャパン美術財団選抜奨励展入選、第44回神奈川美術展入選など受賞。装画に 「臨床の詩学」(春日武彦・著/医学書院)がある。新潟市在住。www.sinzow.com

しんぞう
しんぞう

紙と紙のあいだに絵の具をはさみ、ギュッと押したらどんな模様ができるでしょう?
型にはまった描き方にとらわれない、絵を描く楽しさを感じてもらえるようなワークショップです。ぜひお気軽にご参加ください。


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2019年3月▶ しんぞう展 呪いと笑いの日々(於ギャラリーみつけ)

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1974年横浜市生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。個展は、新宿眼科画廊(東京)、DAMギャラリー(韓国)、福住画廊(大阪)、ギャラリーsfera(京都)、2012年砂丘館 「あなたの心の裏の河」(新潟市)、13~16年新潟絵屋など。そのほか09年 「大地の芸術祭」に出品。芸術道場GP(グランプリ)銀賞、第29回損保ジャパン美術財団選抜奨励展入選、第44回神奈川美術展入選など受賞。装画に 「臨床の詩学」(春日武彦・著/医学書院)がある。新潟市在住。www.sinzow.com

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2021年3月開催予定(於新潟絵屋)


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華雪による書と篆刻の講座『字がうまれたとき・書がうまれたとき』最終回

12/27[日]

13:30-16:00 篆刻 「『欠け』の発見」

17:00-19:30 書 「新たな書体の普及―楷書」

古代中国で漢字がつくられたときの様子を入り口に、書がどのように人びとの間で発展してきたのか社会背景を学びつつ、技術を理論的に読み取る力をつけることで、実際に書く力へと結びつけます。連続講座ですが単発でも、書・篆刻ははじめてという方にもたのしんでいただける内容です。

受講料:各回5,000円(テキスト・材料費込/通しの方は500円割引)
・定員:各回8名(先着順・絵屋に要申込)
・会場:砂丘館(新潟市中央区西大畑町5218-1)

お問い合わせ

Tel. 025-222-6888(担当:井上)

<これまで>

 第1期では、古代中国で漢字がつくられたときの様子を入口に、書がどのように人びとの間で発展してきたのかを紐解きながら、字と書の起源を想像し、書くための技術がどのように育まれてきたのかを学びました。
 第2期では、祈りのなかで必要とされ、かたちづくられていった書、その展開について学びました。
 第3期・4期は、ひとびとの間へ、実用に際してダイナミックに変化を続けた書体の展開を追い、「篆書体」「隷書体」を取り上げ、技術の発展を観察しながら、現代に繋がる書体の変遷を実際に書いて体験しました。

華雪 講座

講師プロフィール

華雪(かせつ)
1975年京都府生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻修了、東京都在住。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、以来、文字の表現の可能性を探求することを主題に、国内外で展示やワークショップを行っている。刊行物に『石の遊び』(平凡社、2003)、『書の棲処』(赤々舎、2006)、『ATO 跡』(between the books、2009)、作品集『ながれる』(2019)など。作家活動の他に、『コレクション 戦争×文学』(集英社)など書籍の題字なども手がける。
instagram kasetsu_sho


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ワークショップ「木」を書いて「森」をつくる
華雪による書と篆刻の講座『字がうまれたとき・書がうまれたとき』第3期