小島典子展

5/17[土]- 30[金]

niigata eya exhibition 692

 幾枚もの版を駆使しながら、色を重ね、そっと筆から命を吹き込んでいくかのようだ。ボタニカルという自然が生み出すアートを、独自の技法で自分の世界に落とし込む。微かな絵の具の粒子が重なり合い生み出されるグラデーションは、とても繊細で美しい。そして色の重なりは、鮮やかな輪郭を導き、花や果実は、よりみずみずしく立体感を帯びてくる。その色彩は、柔らかく豊かで、優しさを与えてくれる。小島さんの作品を見ていると、穏やかな風に包まれているかの心地になり、癒されるのだ。
 身近な草花をはじめ、近年はフェアトレードにも関心を持ち、バナナの繊維からできた紙を用いた作品や、アフリカローズを描いた作品も興味深い。 (企画者:川上 浩美)

Using several patterns, it seems Ms. Kojima is layering colors and gently breathing life into them with her brush. She incorporates the art of botanicals, a beauty created by nature, into her own world with her unique technique. The gradation created by the delicate overlapping particles veils of paint is very delicate and beautiful.
Overlapping colors lead to vivid outlines, and the flowers and fruits become more lush and three-dimensional. The colors are soft and rich, and give a sense of tenderness. Looking at Ms. Kojima’s works, I feel as if I am surrounded by a gentle breeze, which is soothing.
In addition to familiar flowers and plants, she has recently taken an interest in the spirit of fair trade, so her works are made using paper made from banana fiber, and her paintings of African roses are also novel. (Exhibition Planner: Hiromi Kawakami)

PHOTO:「チューリップ」 2025年 アクリル/バナナペーパー 59.0×46.0cm

小島典子
PHOTO:「マリクレール」 2020年 アクリル/バナナペーパー 59.0×46.0cm

小島典子(こじま のりこ)
東京生まれ。ペインティングアーティスト、トロンプロイユ/フォーフィニッシュペインター、カラーリスト、日本色彩学正会員、(学)織田学園 色彩・美学・デッサン講師。独自の技法「クレモラート」による絵本、テキスト、ボタニカルアート、文具等のデザイン制作。(株)クローバー ステンシルプレートデザイン、日本ペイント(株)「DISNEY©カラーハーモニー」総括プロヂューサーを経て、デパート、施設等のカラーコーディネート、ディスプレイ、ロゴマーク、サインボードを手掛ける。壁面のステンシル・クレモラート®施工は国内のほか、イタリア、アメリカを含め100件を超える。銀座、青山、代官山、自由が丘、田園調布などで個展開催。全米ステンシル協会誌において日本人で初めて表紙を飾り、その後も多数作品掲載されペイント誌のほか「VERY」「STORY」「美しい部屋」「すてきレシピ」などにも掲載。著書に、絵本「仔馬のカプチーノ」(日本図書協会認定図書)、色彩本「いろらぼBook」などがある。www.cremolato.jp

Noriko Kojima
Born in Tokyo.She has designed and produced picture books, texts, botanical art, stationery, etc., using her unique “Cremolato” technique, as well as color coordination, displays, logos, and signboards for department stores and other facilities. The wall stencil and cremolate installation has been proven in Italy and the U.S.A. She was the first Japanese artist to be featured on the cover of the National Stencil Association magazine, and her work has been featured in numerous painting and fashion magazines in Japan. Her books include the picture book Kouma no Cappuccino (Japan Library Association certified book) and the color book Irolabo Book and others.
www.cremolato.jp

小島典子

PHOTO(上):「八重の薔薇」 2010年 アクリル/和紙 58.0×46.0cm

小島典子
PHOTO:「雪椿」 2025年 アクリル絵の具/アクリル板 52.0×41.5cm


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「小島典子展」関連グッズ

先行発売しております!

小島典子
ノート
A5サイズ/7種類/80頁
550円〈各税込〉

雪椿のメモ帳
B7サイズ/100頁
440円〈各税込〉

小島典子
小島典子

一筆箋
7.4×17cm/6種類/20枚入
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小島典子

二つ折りミニカード・封筒付
見開いてハガキ大/7種類
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▶ 小島典子展 5/17[土]― 30[金]

蓮池もも展

6/16[月]― 29[日]

niigata eya exhibition 694

25回目の誕生月にふたつの記念展を開催します。
25years
アンティエ・グメルス展 Sun Diary / 蓮池もも展

新潟絵屋は2000年6月16日に「見る人の見る人による見る人のための企画展空間」として誕生した。それは「作る人の発表の場」という面から見られることの多かった「展覧会」を「見る人」というもう一つの視点からとらえ直そうとする試みだった。
 展覧会は「見る人」(企画者)と「作る人」の協働で実現する。25年という歳月の中で、私たちもたくさんの作る人と交流した。また作る人、作られたものたちから、活動のエネルギーをもらってきた。ことに創作の劇的ないまを共に体験できたことは、新潟絵屋が与えてくれたかけがえない賜物だった。
 アンティエ・グメルスと蓮池ももの「変容」は今も忘れられない。
 アンティエの新潟絵屋の初個展は2001年。少しシニカルで不思議な生き物たちの賑やかな「パレード」の数年後に、思いがけない「光の絵」が現れようと誰が想像できただろう。蓮池は「島」「文様」、湿地のイメージへと推移していく素描の連作など、その都度新しい、魅力ある結晶体を産み落としてきた。
 ドイツに居を移し、ここ数年制作に力を十分に注げずにいたアンティエは、新潟絵屋の「おめでたい」月のために「太陽の日記」シリーズを描いた。旧作を加えて展示する。蓮池の近作には「ラジオ」が登場。遠い場所を近づける小箱は、自らの深みをめぐる道を歩いてきた画家の、心的世界の広がりを暗示する。
 「ひとりぼっちは絵描きになる」は友川かずきの歌だが、たくさんの見る、作る、ひとりぼっちがつながり、心を通わせてきた場所が新潟絵屋だった。(企画者:大倉 宏)

蓮池もも(はすいけ もも)
1983年新潟市生まれ。2006年fullmoon upstairsでの初個展以降、画廊Full Moon、新潟絵屋、砂丘館、ギャラリーみつけ(新潟)、ギャラリー島田(神戸)、ギャラリー枝香庵(銀座)で個展。大地の芸術祭2022にて「山の奥 海の底」を発表。2013~16年俳誌『白茅』に絵とエッセイ「森の奥 湖の底」を、2024年~新潟日報朝刊読者文芸に挿画を連載。絵本に『おにがくる』(めくるむ/あいだのりゆき作)、装画に『あいだのわたし』『あいだのわたしたち』(岩波書店/ユリア・ラビノヴィチ作)がある。十日町市在住。Instagram@momohasuike

Momo Hasuike
Born in Niigata City in 1983, Hasuike has had solo exhibitions at Gallery Full Moon since 2006, at Niigata Eya, at Sakyukan, at Gallery Mitsuke (Niigata), at Gallery Shimada (Kobe), and at Gallery Echo-ann (Tokyo). Participated in the Echigo-Tsumari Art Triennial 2022 and presented “Depth of Mountain – Bottom of Ocean.” Published a series of paintings and essays, “Mori no Oku Mizuumi no Soko”, in the haiku magazine Hakubou from 2013 to 2016. Her picture book, Oni ga kuru (Mekurumu, by Noriyuki Aida) and the cover art of Aida no Watashi (Original title is DAZWISCHEN:ICH, Iwanami Shoten, by Julya Rabinowich). Based in Tokamachi City. Instagram@momohasuike


PHOTO(上):「ガール ミーツ ガール」 2025年 水彩/紙 20.5×30.2cm

Antje Gummels
PHOTO:「グッドニュース」 2025年 水彩/紙 23.0×31.8cm

蓮池もも
PHOTO:「ニュース」2025年 水彩/紙 21.3×29.9cm


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▶ 蓮池もも展〈後期〉2019年
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関連イベント

25 years 記念トーク

6/20[金]18:30 – 20:00
蓮池もも/聞き手:大倉宏

アンティエ・グメルス展

6/1[日]― 14[土]

アンティエ・グメルス展 Sun Diary

6/1[日]― 14[土]

niigata eya exhibition 693

25回目の誕生月にふたつの記念展を開催します。
25years
アンティエ・グメルス展 Sun Diary / 蓮池もも展

新潟絵屋は2000年6月16日に「見る人の見る人による見る人のための企画展空間」として誕生した。それは「作る人の発表の場」という面から見られることの多かった「展覧会」を「見る人」というもう一つの視点からとらえ直そうとする試みだった。
 展覧会は「見る人」(企画者)と「作る人」の協働で実現する。25年という歳月の中で、私たちもたくさんの作る人と交流した。また作る人、作られたものたちから、活動のエネルギーをもらってきた。ことに創作の劇的ないまを共に体験できたことは、新潟絵屋が与えてくれたかけがえない賜物だった。
 アンティエ・グメルスと蓮池ももの「変容」は今も忘れられない。
 アンティエの新潟絵屋の初個展は2001年。少しシニカルで不思議な生き物たちの賑やかな「パレード」の数年後に、思いがけない「光の絵」が現れようと誰が想像できただろう。蓮池は「島」「文様」、湿地のイメージへと推移していく素描の連作など、その都度新しい、魅力ある結晶体を産み落としてきた。
 ドイツに居を移し、ここ数年制作に力を十分に注げずにいたアンティエは、新潟絵屋の「おめでたい」月のために「太陽の日記」シリーズを描いた。旧作を加えて展示する。蓮池の近作には「ラジオ」が登場。遠い場所を近づける小箱は、自らの深みをめぐる道を歩いてきた画家の、心的世界の広がりを暗示する。
 「ひとりぼっちは絵描きになる」は友川かずきの歌だが、たくさんの見る、作る、ひとりぼっちがつながり、心を通わせてきた場所が新潟絵屋だった。(企画者:大倉 宏)

Antje Gummels(アンティエ・グメルス)
1962年旧西ドイツ・レーゲンスブルグ生まれ。78年イタリア・サンレモへ移住。87年に来日し新潟県巻町(現新潟市西蒲区)に住む。92年麻布工芸美術館(東京)、92・94年創庫美術館(新潟)、96年北方文化博物館(新潟)、98年ストライプハウス美術館(東京)、2001・05・07・09・11・14・17年新潟絵屋、07年砂丘館(新潟)、05年アートフロントギャラリー(東京)、画廊Full Moon(新潟)、07年ギャラリーARKA(ウラジオストック)、 07・09・17年ギャラリー128(ニューヨーク)、08年中之沢美術館(群馬)、ギャラリーアートコンポジション(東京)、10年游文舎(新潟)、11年ギャラリーゆうむ(新潟)、17年ギャラリーみつけ(新潟)で個展。09年大地の芸術祭、11~16年観○光ART EXPO(京都、鎌倉)、会津漆の芸術祭に出品。ドイツ在住。

PHOTO(上): 「Sun Diary:The Bird」 2025年 インク・色鉛筆/紙 10.5×14.7cm

Antje Gummels
PHOTO:「The Big Parade:Under the Stars」2001年 墨/和紙 11.0×20.0cm

アンティエ・グメルス
PHOTO:「Sun Diary」インク・色鉛筆/紙 10.5×14.7cm


▶ 黄金の山の日記から アンティエ・グメルス展

関連イベント

25 years 記念トーク

6/20[金]18:30 – 20:00
蓮池もも/聞き手:大倉宏

蓮池もも展

6/16[月]― 29[日]

ギャラリー&ミュージアムマップ 2024.5/20~6/25

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北区 楓画廊てんゆう花、nico、ビュー福島潟、ARTギャラリーHAFU
東区 She is、巻菱湖時代記念館、フォトスタジオHOX
南区 SHIRONE PRESSO
江南区 小さな美術館季、エムスタジオ、北方文化博物館
秋葉区 やまぼうし三方舎新潟市新津美術館
西区 雪梁舎美術館ギャラリー潟道
西蒲区 浜つばきギャラリー野衣、いわむろや

新発田市 清水園
胎内市 胎内市美術館
村上市 Toi陶房(瀬波温泉)
柏崎市 游文舎gallery tanne(谷根)グルグルハウス高柳
長岡市 たびのそら屋県立近代美術館、長岡造形大、栃尾美術館
見附市 ギャラリーみつけ
燕市 燕市産業史料館gallery SAI、ツバメコーヒー
三条市 D+5 ART、三条ものづくり学校
栃尾市 栃尾美術館
弥彦村 弥彦の丘美術館